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“日欧100均戦争”勃発 「ダイソーvsタイガー」一歩も譲らず

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“日欧100均戦争”勃発 「ダイソーvsタイガー」一歩も譲らず

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ダイソー心斎橋店のプレオープン。女性をターゲットとした店舗はピンクだ=11月30日、大阪市中央区南船場(榎本雅弘撮影)  大阪・心斎橋に100円均一ショップチェーンの「ダイソー」西日本旗艦店が1日、オープンした。かつての“100均”とは大きくイメージは異なり、「女性目線」「おしゃれ」「カラフル」の三拍子がそろった店舗だ。

 心斎橋には7月、デンマークの雑貨チェーン「タイガーコペンハーゲン」が進出し、連日行列ができる人気ぶり。大阪の繁華街を舞台にしたダイソーvsタイガーの日欧“100均戦争”に注目が集まるが、実は単に心斎橋での勝敗にとどまらず、海外進出に向けて両者が実力を探り合う、マーケティングの場となっている。

 若い女性を取り込め

 大創産業(広島県東広島市)が全国展開するダイソーは、国内に2600以上の店舗持つ日本一の100均ショップ。100円とは思えない豊富な品ぞろえと、便利なアイデア商品で業界を切り開いてきた。

 ただ、近年はライバル店の台頭などで競争は激化。「セリア」「キャンドゥ」などの追い上げも激しくなってきている。

 そこでダイソーは昨年ごろから、店舗の内・外装をピンクで統一したり、商品に女性目線のおしゃれな色使いを取り入れた「新コンセプト店」への切り替えを進め、狭い棚に目いっぱい商品が詰め込まれた売り場のイメージを一新させる戦略を進めている。

 心斎橋店はこの戦略を最も強く打ち出した、西日本の中核となる店舗。ピンクや黄色といったカラフルな生活用品、水玉や花柄、キャラクターものなどのデザインのバリエーションを取りそろえ、明るく華やかだ。10月、新コンセプト店に改装した兵庫県尼崎市の「つかしん店」では、売り上げが前年同期比1・5倍になったという。

 同社大阪事務所の井内武史リージョナルマネージャーは「100円に見えないのか『これいくら?』と聞かれることが多くなった」と話す。

 新装ダイソー本当の狙いは…

 ダイソーは海外戦略を展開中で、アジア、北米だけでなく、中東やアフリカなど29カ国に約660店を抱える。今年中には30カ国目として、南米初となるブラジルへの出店も予定している。

 しかし、世界で唯一進出できていないのが欧州だ。

 「欧州は一番難しい」と話すのは海外事業を担当する西田知之常務。「デザイン性などへの消費者の目が厳しい欧州では、これまでのダイソーの商品ではだめだ。現地の好みに合わせていかなければならない」と厳しくみている。

 若い女性をターゲットにしたダイソーの大幅な改革は、国内競争にもとどまらず、欧州への進出、全世界展開を視野に入れた試金石でもある。

 今年度中に進出予定のブラジルも、実は欧州からの移民が多く、文化的にも欧州に近い。ブラジル進出は、その後の欧州展開をにらんでいるという。

 タイガーも海外展開を占う戦いに

 欧州展開となれば、やはり意識するのが今年7月に欧州からアジアへ初進出し、心斎橋に1号店を出店したデンマークの雑貨チェーン「タイガー」だ。タイガーもダイソーと同じく世界進出を加速させており、現在17カ国に195店を展開している。

 今回ダイソーの欧州進出計画より先んじてタイガーが日本に乗り込んできたため、心斎橋は両者とも、初めての直接対決の舞台となる。

 ダイソーがタイガーの客を奪えば、欧州進出に弾みがつく。逆にタイガーが勝てば、アジア進出の足がかりとなる。

 勝者はどちらになるのか。

 「(タイガーの商品は)デザイン性という点で、日本にまったくなかった。当然、あのような人気となることも予想していた」と西田常務はライバル店の日本での盛況を分析する。だがダイソーの欧州展開について「われわれのよさも、また欧州にはないものだ」と牽制(けんせい)する。

 一方、タイガーを展開するゼブラ社(デンマーク)のレナート・ライボシツ最高経営責任者は、日本進出にあたり「われわれは商品のデザインはもちろんのこと、店舗づくりや流す音楽なども含めた、店全体のコンセプトを販売している」と説明し、「日本に限らず、他にはどこにもない」と自信をにじませる。

 心斎橋を舞台にした日本と北欧の雑貨チェーン直接対決。タイガーの勢いがこのまま続くのか、ダイソーが100均王の実力を欧州で発揮するのか-。近い将来飛び火する欧州、アジアでの競争の前哨戦で、相手を食うのはどっち?(阿部佐知子)

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