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情報通信ＬＴＥ普及元年、大量データもサクサク ２０１３年ヒット商品予想
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ＮＴＴドコモの冬商戦向けモデルはスマートフォン全９機種がＬＴＥに対応している 携帯電話業界は、次世代の高速通信規格「ＬＴＥ」に対応した端末の標準化が進み、２０１３年は名実ともに「ＬＴＥ普及元年」となる。ＮＴＴドコモ、ＫＤＤＩ（ａｕ）、ソフトバンクモバイルの大手３社が対応するスマートフォンを既に投入。基地局の整備も急ピッチで進み、３月には都市部を中心に国内人口の９割程度がＬＴＥ網でカバーされる。今年後半と見込まれる米アップルの「ｉＰｈｏｎｅ（アイフォーン）」次期機種をはじめ、ＬＴＥ対応のスマホが各社から続々と登場しそうだ。
ＬＴＥは「ロング・ターム・エボリューション」の略称。現在主流の「３Ｇ（第３世代）」の最大１０倍近い高速通信が可能で「第３．９世代」とも呼ばれる。スマホの普及に伴い、携帯で映像や音楽を楽しむ利用者が増え、携帯各社は大量のデータ通信でもＬＴＥなら「サクサクつながる」（ソフトバンクの孫正義社長）とアピールし、切り替えを急いでいる。
ドコモは昨年９月末時点で１万４０００局だったＬＴＥ基地局を今年３月までに２万３０００局に増やし、ソフトバンクも３月には２万局とするなど、ＬＴＥが利用できるエリアの拡大が進む。
対応機種も急速に浸透している。１０年に日本初のＬＴＥサービス「Ｘｉ（クロッシィ）」を始めたドコモは、１２年１２月時点でＬＴＥ対応機種の契約数が計８００万件を超えた。
ドコモを追うＫＤＤＩ、ソフトバンクは１２年９月発売の「アイフォーン５」でＬＴＥを導入。人気機種のアイフォーンを前面に打ち出して「サービスを垂直立ち上げし、一気にドコモを抜く」（ＫＤＤＩの田中孝司社長）と意気込む。両社とも、米グーグルの基本ソフト（ＯＳ）「アンドロイド」を搭載したスマホについても、１３年春までに順次発売する全機種をＬＴＥ対応とする。
携帯各社の新規契約者数の行方は、やはりアイフォーンが鍵を握る可能性が高い。ＭＭ総研によると、１２年４～９月の携帯電話端末の国内出荷台数（メーカー別）は米アップルが４５７万台で首位となり、２位の富士通と３位のシャープを大きく引き離した。「アイフォーン５の爆発的な勢いは１３年も当面続きそうだ」（ＭＭ総研の横田英明研究部長）と、人気は衰えそうにない。
アイフォーンを扱っていないドコモから、ＫＤＤＩやソフトバンクに乗り換えるユーザーは後を絶たない。このため、ドコモはアイフォーンについて「金輪際扱わないわけではない」（加藤薫社長）と、ライバルと足並みをそろえる可能性も示唆する。結局、ＬＴＥ普及元年の牽引（けんいん）役はアイフォーンという構図になりそうだ。（渡部一実）
