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ソニー“くもの糸”にすがる現実 映画好調で黒字化も…本業復活遠く

ニュースカテゴリ:企業の電機

ソニー“くもの糸”にすがる現実 映画好調で黒字化も…本業復活遠く

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ソニー・ピクチャーズ・スタジオに置かれた「スパイダーマン」の像。ソニーの業績はヒーローたちに下支えされている=11日、米ロサンゼルス(米沢文撮影)  【ロサンゼルス=米沢文】テレビ事業などの不振が響き平成24年3月期に過去最悪の最終赤字に転落したソニーが、25年3月期は一転して200億円の最終黒字に転換する見込みだ。

 映画や音楽などのエンターテインメント(娯楽)部門が業績をカバーするためで、2年連続の巨額赤字を見込むパナソニックやシャープとは対照的だ。ただソニーも本業の電機部門の黒字化は厳しく、「ハードとソフトの融合」を目指すソニーの復活は道半ばだ。

 11日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)の撮影所。セットで美しく再現された街のカフェの前で、数人のスタッフが撮影の準備に忙しく動き回っていた。

 2012年7月に全米で公開された映画「アメイジング・スパイダーマン」で、主人公が敵と戦うシーンはここで撮影された。同映画の昨年の世界の興行収入は7億5200万ドル(約660億円)。昨年11月に公開された「007スカイフォール」は興行収入が10億ドルを突破するなど、ヒット作を連発する。

 ソニーは1989年に34億ドルでコロンビア映画を買収しハリウッドに進出。今や映画は音楽や金融などと並ぶ高収益部門だ。平成24年3月期はテレビなどのデジタル家電が2032億円の営業赤字に対し、映画は341億円の営業黒字だった。

 25年3月期は部門別の利益予想を公表していないものの、テレビの価格下落などで主力の電機部門は「黒字化が厳しい」(加藤優最高財務責任者)。このため、エンタメが業績を下支えする状況に変わりない。

 興行は当たり外れの大きなビジネス。今期は公開スケジュールの遅れなどで、昨年8月時点の想定から減収を見込む。映画などの本業以外の事業が順調なうちに、電機部門を立て直せなければ、ソニー復活は遠い。

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