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サーベラスと西武HD、譲れぬ「公共性重視」 米国流VS日本流、主張は平行線

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サーベラスと西武HD、譲れぬ「公共性重視」 米国流VS日本流、主張は平行線

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 敵対的TOBに発展した西武ホールディングス(HD)と米投資会社サーベラスの対立の焦点は、不採算路線などリストラ対象事業をめぐり、収益性と公共性のどちらを重視するのか、という点だ。株主や利用者など「全てのステークホルダー(利害関係者)のために」という思いは双方で共通。ただ米国流の「企業価値の向上」と、日本流の「公共性優先」という主張は並行線をたどったままだ。

 TOBに際し、サーベラスは新任取締役候補として五味広文・元金融庁長官ら3人を提案した。対して西武HDは助言機関として古森重隆・富士フイルムホールディングス会長ら4人による有識者会議を設置。サーベラスが同会議に協議の場を設けるよう要請するなど応酬が続いている。

 サーベラスは西武HDのコーポレートガバナンス(企業統治)や内部統制が「心もとない」(代理人)と強調するが、西武HDの業績は堅調で指摘は具体性に欠ける。五味氏は、西武HDの前身の旧西武鉄道が上場廃止になった際の金融庁長官。監督側にいた元官僚が経営陣に入ることに「倫理上の問題がある」(金融筋)との指摘もある。

 一方、西武鉄道に実際に不採算路線があるのも事実で、「バス輸送に切り替えるなどのリストラは検討の余地がある」(証券アナリスト)との見方もある。

 4月23日を期限とするTOBの成立はほぼ確実とされており、その後の協議で再上場の時期やリストラ策などの落としどころを探る展開になるとみられる。

 西武HDは発行済み株式の13%を個人株主が占め、鉄道やホテルの利用者、埼玉西武ライオンズのファンなど一般の利害関係者を多く抱える。真の理解を得るためにも、双方にはより客観的な情報発信と説明責任が求められている。

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