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安倍首相と蜜月アピール 存在感増す新経連・三木谷氏が目指す先は…
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楽天の三木谷浩史会長兼社長が代表理事を務める経済団体「新経済連盟」(新経連)が、安倍晋三首相との親密ぶりをアピールしている。「イノベーションで経済界の新陳代謝を促したい」という三木谷氏の存在感は増すばかりだ。
新経連は16日、都内のホテルで日米のインターネット関連企業トップらによるシンポジウム「新経済サミット2013」を開いた。
集まった約1500人の聴衆を前に三木谷氏は安倍首相のビデオメッセージを披露。前日午後にはシンポジウムの登壇者を伴って官邸に首相を表敬訪問し、同日夜の前夜祭にも首相を招待した。
北朝鮮情勢の緊迫化など厳しい日程を裂いて日本の首相が何度も同じ経済団体の催しに顔を出すのは極めて異例だ。
前夜祭で安倍氏は「日本が経済を復活させ力強く成長していくには、みなさんの活躍が鍵になる」と会場の参加者にエールを送り、三木谷氏と握手を交わしながらカメラの前でポーズを取った。
安倍氏は三木谷氏を「旧い友人」と呼び、三木谷氏は「歴代首相の中で最もネット産業に理解がある」と話す。両者の蜜月は誰の目にも明らかだった。
東京電力福島第1原子力発電所の事故後の対応をめぐり、三木谷氏が電力業界を擁護した経団連を脱会してネット関連企業を中心に新団体を立ち上げたのは昨年6月1日。以来、新経連のフットワークは軽やかだ。
12月には他の経済団体に先駆けて衆院選で勝利した直後の安倍自民党総裁といち早く意見交換し、ネット選挙の解禁を働きかけた。
今春、三木谷氏が政府の産業競争力会議の民間議員に選ばれると、医薬品のネット販売にからむ規制緩和や起業促進策などを矢継ぎ早に提言。グーグルやスカイプなど著名なネット関連企業のトップを日本に呼んで大規模なシンポジウム開催も実現した。
前夜祭で安倍氏は三木谷氏に「日本を変えるためにこれからも物議を醸す発言をどんどんしていただきたい」と注文。この発言に意を強くしたのか、三木谷氏は「円安が進むとまた大手町(経団連)が息を吹き返すのでないかと心配だ」とぽろりと本音を吐露した。
三木谷氏が目指すのは既存の重厚長大型の経済団体の枠を超えたニューエコノミーを束ねる“新財界総理”なのかもしれない。
発足当時779社だった新経連の会員企業は今年4月3日時点で744社に減ったが、議決権のある一般会員は245社から279社に増えた。
経済同友会の長谷川閑史代表幹事は「彼は同友会のメンバーだし、主張に違和感がない」と理解を示すが、経団連は「ノーコメント」(関係者)と論評を避けている。(早坂礼子)