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ロート製薬なぜフランス料理店なの? 予想上回る人気にビックリ
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旬穀旬菜の6月の平日ランチ 人気ショップやレストランが軒を連ねるJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」の複合ビル群「グランフロント大阪」(大阪市北区)。ランチタイムには連日100人の行列ができる人気店が、ロート製薬の薬膳フランス料理店「旬穀旬菜(しゅんこくしゅんさい)」だ。胃腸薬「パンシロン」、目薬「Vロート」でおなじみの同社が、なぜフランス料理店なのか…。
「食ビジネスを医薬品、化粧品に次ぐ第3の収益の柱に育てたい」
ロートの担当者はこう説明する。同社が、飲食店を本格的に運営するのは今回が初めて。
予約を受け付けていないランチタイムは4月下旬の開業以来、ほぼ毎日2時間待ちの行列ができる人気ぶりで、“序盤”は大成功といえそうだ。
創作フランス料理で有名な三国清三シェフがプロデュースし、ランチやディナーを提供する。
気になるメニューだが、平日のランチは1150円(税込み)から。本格的なフランス料理としては割安感を打ち出している。
「薬膳フレンチ」として、地場産の無農薬野菜などをふんだんに使っているのが、製薬会社のロートならではの特徴で、レシピには、「美肌や疲労回復におすすめ」など美と健康にこだわった説明が書かれている。
フランス料理はこってりしがちだが、野菜を充実させたことで、体形を気にする女性や、あっさり味を好む中高年にも人気となっている。
無農薬野菜の一部は、隣接する植物工場で「セラミック栽培」する。セラミックの筒に植物の根を入れると必要最小限の水と養分が吸収される仕組みで、水栽培では難しかった根菜も育てやすいという。
担当者は「医薬品も薬膳フレンチも来店客の健康を気遣うので、『医食同源』の心意気で成功させたい」と意気込む。
さらに、フットケアやヘッドスパ、針きゅうのほか、体幹を鍛える「ピラティス」を体験できる予約制のリラクセーションサロンも併設した。サロンでリラックスして、そのまま薬膳フレンチを楽しむ人も増えているとか。
ロート製薬によると、フランスでは、リラクセーションサロンを併設した料理店が増えているが、日本では珍しく、「美と健康を総合的にプロデュースできる」という。
ロートは20期連続で増収を記録し、医薬品、化粧品とも好調な業績で推移している。だが、本格的な人口減少時代が迫り、国内市場の縮小が見込まれる中、海外戦略の強化や事業の多角化に舵を切った。
5月中旬には、再生医療への参入も公表したばかりだ。これまでも、同社の強みである肌関連の遺伝子やiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究を進めてきた。
中でも、成長市場の食ビジネスは、多角化の成否を占う“試金石”とあってロートの意気込みは大きい。
「予想を上回る好感触で驚いているが、この人気をどう長続きさせるか…」
運営子会社のロートウェルコート(大阪市北区)の嶋田一治社長は、浮かれることなく気を引き締めている。(阿部佐知子)