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賃金上がらず若者敬遠、コンビニに人材流出… 深刻な建設作業員不足
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関西圏でも建設作業員の人手不足が深刻化していることが2日、わかった。東日本大震災の復興工事に伴い、被災地を中心に建設作業員の求人は大きく増加しているが、タイル工やとび職などの技能職は高齢化が進み、十分な人手が確保できないという。
人材確保につながる賃金改善も頭打ちで、今後、本格化する公共工事などの需要への対応が懸念されている。
大阪労働局の調査によると、平成24年度の有効求人倍率は建設・土木業界の技能職で人手不足を示す2倍を超える職種が相次いだ。
最も倍率が高い「ブロック積み工・タイル工」が6・46倍に達したほか、「とび工」(5・83倍)、「鉄筋工」(4・73倍)など、求職者1人につき4~6件の求人が集まる状態だ。
総務省によると、建設業の場合、29歳以下の就業者の比率はわずか11・8%と、全産業平均(17・3%)を大きく下回り若者離れが顕著だという。
半面、建設業に従事する55歳以上の比率は32・8%と全産業平均を4ポイント超上回り、高齢化に伴う「技能の育成、継承が難しくなっている」(業界関係者)という。
この背景にあるのが、仕事内容に比べて低い賃金水準だ。毎月勤労統計調査によると、従業員30人以上の建設業の3月の現金給与総額(平成22年を100とした指数)は、前年同月比0・1ポイント減の90・2にとどまった。
厚生労働省関係者は「人手不足でも賃金は上がっていない」と指摘する。
国や行政側は、建設・土木業界に賃上げを要請しているが、「価格競争が厳しい2次、3次の下請け業者にまで賃上げが浸透する可能性は低い」(厚労省関係者)のが実情だ。「コンビニ店員や運転手へ人材が流れた」との声もある。
若年層の取り込みに向け、関西鉄筋工業協同組合(岩田正吾理事長)は、建設業の役割や魅力を伝える出前講座に取り組んでいる。
今年4月には武庫川女子大(兵庫県西宮市)建築学科の女子学生を対象に、鉄筋の組み立て実習を行うなど、これまで12カ所で講座を開催したが、さらに官民挙げた就業推進策が不可欠だ。