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大企業選ばない難関大学生 東大、京大、早慶…なぜベンチャー志願?

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

大企業選ばない難関大学生 東大、京大、早慶…なぜベンチャー志願?

更新

【プロが教える就活最前線】

 毎年、恒例となっている人気企業ランキングを見ると、今も昔も変わらず、メガバンクや総合商社、広告代理店などが上位に名を連ねています。しかし、表面的には見えにくいのですが、近年、インターネット系の新興企業を進んで志望する学生が増えています。

 言い方は悪いですが、一昔前までは中堅大学やそれ以下の学生が大手志向の就活に失敗した末に受けるのが新興企業でした。

 ですが、近年は東大や京大などの難関国立大学や、慶応大や早稲田大などの難関私立出身者が、積極的に新興企業を受け、自ら入社の道を選んでいるのです。2例を紹介します。

【東大生Aくん】

「就職活動を始めた当初は、周りと同じように大手企業への就職を考えていました。しかし、OB訪問をしていく中で、何となく仕事に取り組んでいる方や覇気のない方が沢山いて、本当に大手企業に行くという選択が正しいのか疑問を持つようになりました。そんな中で、たまたま参加したベンチャー企業の説明会で出会った社員の方々が、人生をかけて仕事をしているように感じ、ベンチャー企業への志望度が一気に高くなりました。」

【早稲田大生Bくん】

 「高校や大学受験など、今までは世間一般のモノサシで将来の選択をしてきたのですが、それには何となく違和感を覚えていました。仕事選びでは客観的なモノサシではなく、自分独自のモノサシで選びたいと考えた時に、行き着いたのがベンチャー企業でした。」

 三島由紀夫は「若きサムライのために」の中で、「辛さ」について、「実は一番辛いのは努力することそのことにあるのではない。

 ある能力をもった人間が、その能力を使わないように制限されることに、人間として一番不自然な苦しさ、辛さがある」と言い、また、「人間の能力の100%を出している時に、むしろ、人間はいきいきとしているという、不思議な性格を持っている。

 しかし、その能力を削減されて、自分でできるよりも、ずっと低いことしかやらされないという拷問には、努力自体の辛さよりも、もっとおそろしい辛さがひそんでいる。」とつづっています。

 実は、この書籍は今から40年以上前の1969年に刊行したものなのですが、この話は今にも通じて言えることだと思います。

 おそらく、Aくんが大手企業ではなくベンチャー企業を志望するようになったのは、大手企業をOB訪問した際に接した社会人が三島由紀夫の言う「辛い」状況においこまれていると感じたからでしょうし、Bくんが独自のモノサシで仕事を選びたいと思ったのも、周りにいる大人が自分の持っている能力を最大限発揮できているとは決していえないと感じたからでしょう。

 今の時代、大手電機メーカーさえ経営危機に陥り、大手企業であっても、危機意識を持たなければいけないことは確かです。

 ベンチャー企業においては、危機意識を持つだけでなく、1人1人が戦力とならなければ生き残っていけません。戦力外の社員を抱えておくような余裕はベンチャー会社にはないからです。

 そういった意味で、ベンチャー企業には自分の持っている能力の100%を出さざるを得ない状況があります。

 そのため、そういった中で仕事をしている経営者や社員たちがとても輝いてみえ、学生たちの志望度を上げさせているのでしょう。

 今後、難関国立大学や私立大学の学生がこぞって新興企業に就職したり、自ら起業したりする時代が、近い未来やってくるかもしれません。(「内定塾」責任者 高嶌悠人)

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