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電子書籍「なじみやすさ」前面に 凸版印刷など客層拡大へ新サービス

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電子書籍「なじみやすさ」前面に 凸版印刷など客層拡大へ新サービス

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凸版印刷が開発中のスマホ向けアプリ。電車内の中吊り広告を見る感覚で雑誌記事を選べる=3日、東京都江東区の東京ビッグサイト  印刷会社が電子書籍の事業展開を加速している。凸版印刷はスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の画面の高精細化に対応した、読みやすい書体の開発をスタート。大日本印刷は今秋、子供向けの電子書籍サービスを始める。いずれも紙媒体にとどまらない幅広い消費者を意識した対応で、電子書籍の普及を後押ししそうだ。

 凸版印刷は電子書籍向けの新しい書体の開発に乗り出した。第1弾として今秋、書籍本文に用いる「明朝体」の提供を始める。電子書籍は印刷工程で文字がつぶれる心配がないため、従来の明朝体よりも線を太めにする。

 画面上で文字を拡大しても読みやすいという。2016年春までに、明朝体のほかに本文用のゴシック体など合わせて5書体を順次提供していく計画だ。

 「電車の中吊(づ)り広告で見た週刊誌の気になる記事を、そこだけ読みたい」といった“ちょい読み”需要の取り込みでは、同社がバンダイナムコグループと共同で開発中のスマホ向けアプリ「中吊りアプリ」が注目されそうだ。

 記事単位で購入できるのが特徴で、近くの書店や電子書籍サイトへの誘導効果も期待している。年内の本格展開を目指している。

 一方、大日本印刷は今秋、任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けに、電子書籍を閲覧するためのソフトの無料提供を始める。3DSが「子供が持つ初めての情報端末」(大日本)であることに目を付け、児童書や学習漫画の販売が見込めると判断した。

 同社はまた、文章を読むのが苦手な人を支援する技術「読書アシスト」も開発。ワンフレーズごとに改行した上で、1文字目を少しずつ下げて表示することで、読者が斜め読みしやすくなる仕組み。実験では、読むことが苦手な人が1分当たりに読む量は659文字から、792文字へと1.2倍に増えた。

 印刷各社が電子出版事業に力を注ぐのは紙媒体の本や雑誌が売れなくなる出版不況に加え、電子書籍の市場拡大で戦略の見直しを迫られているからだ。

 ソニーや東芝、楽天が専用端末の品ぞろえを拡充している上、スマホの普及も相まって、電子書籍は急速に浸透している。

 ICT総研によると、電子書籍コンテンツの国内市場は2013年度の1050億円から、16年度には1850億円に伸びる見通し。電子書籍専用端末とタブレットの出荷台数も712万台から、1133万台に拡大する見込みだ。

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