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「ネット常時接続車」開発競う 救急出動や渋滞改善・防災に活用
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緊急時の救急車出動要請システムを搭載したホンダの「アコードHV」を発表する伊東孝紳社長=6月20日、東京都渋谷区 自動車業界で、インターネットに常時接続してドライバーにさまざまな情報を提供する「コネクテッド・カー(常時接続車)」への取り組みが本格化している。従来のカーナビゲーションと違い、事故発生時の衝突場所や盗難追跡、走行記録を基にした渋滞予測など実用的な情報の活用が始まっており、開発競争が熱を帯びそうだ。
ホンダは先月発売したセダン「アコードHV」に、交通事故の発生時に自動で救急車の出動を要請するシステムを付けた。事故で意識を失っても、自動で衛星利用測位システム(GPS)による車の位置情報などが情報センターに送信され、センターが消防や警察に連絡する仕組み。
ホンダは「事故の治療は初動が肝心。従来に比べ素早い救急対応ができる」と利点を強調する。今後、新型車に順次搭載される見通しだ。
トヨタ自動車が始めたのは、地方自治体や物流企業など向けに、IT(情報技術)で集めた車の位置や速度などの膨大な情報「ビッグデータ」を利用して交通情報や統計データを提供するサービス。渋滞の改善や防災対策への活用を見込んでいる。
同社は、約10年前から始めた自動車用情報通信サービス「テレマティクス」の技術開発に取り組んでおり、蓄積した累計330万台分の情報を基に開発した。
一方、日産自動車は、カーナビ購入者に対し、車検や点検情報などがカーナビに随時送られ、その場で予約できる通信サービスを開始。通信サービスの利用にかかる通信代を10年間無料にした。また、交流サイト「フェイスブック」などの記事を読み上げる機能も付けた。
民間調査会社の富士経済は、全世界の新車に占めるコネクテッド・カーの割合は、昨年は762万台と全体の1割にも満たないが、2025年には、12年比で11.2倍の8564万台に拡大するとの予測をまとめた。自動車全体の7割程度に相当する。
電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及で、充電インフラ設備の場所をリアルタイムで表示する必要にも迫られており、今後、コネクテッド・カーへの関心は高まりそうだ。