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訪日外国人数、5年ぶり最高更新 円安追い風、1~6月は495万人
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1~6月の訪日外国人の主な国・地域別伸び率 日本政府観光局が24日発表した今年上期(1~6月)の訪日外国人数(推計値)は、前年同期比22.8%増の495万5000人と、上期ベースでは2008年上期(433万7000人)を上回り、5年ぶりに過去最高を更新した。「アベノミクス」による円安効果で日本への旅行の割安感が出たことを追い風に、東南アジア諸国を中心に訪日客が急増した。政府が成長戦略の一環で掲げる訪日客の年間目標1000万人の達成も視野に入った。
「極めて好調。円安でお得感をPRした効果が出てきた」
観光庁の井手憲文長官は24日の会見で、今年上期の訪日客の結果に笑顔を見せた。アベノミクスで円安傾向が続き、格安航空会社(LCC)の新路線就航による航空座席の供給拡大など、訪日条件の改善が結果に結びついた形だ。
国・地域別でみると、中国が唯一前年水準を下回り、27%減の53万6200人だった。沖縄・尖閣諸島をめぐる日中関係悪化の影響が響いているとみられ、今後も「回復はまだ厳しい」(JTB)という。
その一方で「脱・中国」は進み、10カ国・地域で過去最高の訪日客数を記録した。台湾が49.4%増の102万9700人で大台を突破したほか、タイやベトナム、インドネシアがそれぞれ5割を超える伸び率をみせた。訪日客が最も多い韓国も、福島第1原発事故の風評被害が薄れ、38.4%増の132万200人だった。
このまま訪日客が毎月90万人前後の高水準で推移すれば、年間当たりで過去最高だった10年の861万1000人を上回るのは確実。目標の1000万人を達成する可能性も見えてきた。政府は7月から東南アジア諸国へのビザ緩和を行うなど、訪日客の上積みを図る構えだ。
民間企業側も政府目標の達成を後押しする動きに出ている。東武鉄道は7月から東京スカイツリー(東京都墨田区)の公式ホームページの一部外国語表示を4言語から17言語へ増やすなど、受け入れ体制を整備。エイチ・アイ・エスも8月から子会社を通じ、タイと日本を結ぶチャーター便の運航を始める。