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日本企業、新興国の景気減速懸念 中国依存脱却の動き強まる

ニュースカテゴリ:企業の経営

日本企業、新興国の景気減速懸念 中国依存脱却の動き強まる

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 主要企業120社のアンケートでは、中国など新興国の景気減速に対する企業の懸念が、一段と高まっている現状が浮き彫りになった。中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」問題の顕在化などを背景に、回答企業の7割が新興国の景気について「減速」の認識を示した。3カ月前と比べると約2倍に膨らんだ。今後の有望な市場・生産拠点は、中国が後退する一方で、タイやインドネシアなど東南アジア諸国の台頭が目立った。

 新興国の景気認識については、「減速している」が10%、「やや減速」が60%だった。4月上旬に行った前回アンケートでは、同様の質問に対して、「減速」と「やや減速」の合計が35%だった。

 減速と判断する理由については、ほとんどの企業が中国経済の鈍化を指摘。「不動産や商品の市況の推移から減速感が読み取れる」(商社)、「先進国経済の弱さにより、輸出の伸びが鈍化している」(エネルギー)などの見方が出た。

 「中国の景気減速の影響が、周辺国にも拡大しつつある」(保険)と指摘する企業もあった。

 中国では6月に短期金利が急騰し、上海株式市場全体の値動きを示す上海株価指数が7営業日連続で下落。金利上昇の背景には、金融機関などが正規の貸し出し以外で運用しているシャドーバンキング問題の拡大を食い止めるために中国政府が資金供給量を絞ったことがあり、問題の深刻さが印象づけられた。

 また、「今後3年程度で市場または生産拠点として有望視している国」を2つまでの複数回答で聞いたところ、1位はタイ(29社)、2位インドネシア(26社)と、経済成長著しい東南アジアへの注目度が高かった。

 タイについては「大メコン経済圏のハブとして経済発展する」(素材)、インドネシアは「2億人以上の人口を抱える大市場」(機械)と評価する声があった。

 東南アジアに関しては「点ではなく面で事業を展開」(保険)、「一つの経済圏とみている」(運輸)など、一体的にとらえていることを強調する答えも目立った。

 3位はインドと、シェールガス生産量の急拡大などで景気回復期待が高まっている米国がいずれも18社で並んだ。5位はベトナム(16社)だった。

 中国は6位(15社)にとどまった。昨年末に実施したアンケートで同様の質問をした際には、中国はインドネシアと並んで首位だったが、日本企業が中国依存から脱却する動きが強まっていることを裏付けた。もっとも、「成長率が鈍化しているが、なお巨大市場と位置づけている」(鉄鋼)という意見もあった。

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