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ソニー、クラウド上に調剤データ蓄積 スマホで「電子お薬手帳」

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ソニー、クラウド上に調剤データ蓄積 スマホで「電子お薬手帳」

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ソニーが実用化を目指す「電子お薬手帳」。副作用事例の把握にも役立ちそうだ=19日、東京都港区  ソニーは19日、調剤データをクラウド上に蓄積するシステム「電子お薬手帳」を開発したと発表した。

 IC乗車券などに使われる非接触IC技術「FeliCa(フェリカ)」を採用。患者がICカードを調剤薬局の専用端末にかざすだけで、患者と薬剤師が調剤履歴などの情報を共有できる。

 スマートフォン(高機能携帯電話)に専用アプリを入れれば、スマホで情報を見ることができる。服用後の副作用も記録できるため、副作用事例の収集などデータの活用法にも広がりが期待される。

 商品購入履歴などのデータをめぐっては、個人情報漏れのリスクが指摘されているが、同システムは個人情報とデータを分けて管理する「画期的な方法」(鈴木智行執行役EVP)を開発した。

 クラウド上には、薬に関するデータのみを暗号化して保存する。不正アクセスを受けたとしても、個人情報が漏れる心配はない。クラウドによるビジネス拡大を狙う企業の注目を集めそうだ。

 同社は2011年から、川崎市宮前区で実証実験を始め、約1000人が利用している。今秋には同市全域に拡大し、16年度中にも実用化する方向だ。

 自治体にインフルエンザの流行情報、製薬会社に副作用事例を提供するなどデータを活用した新サービスも検討している。

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