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KDDI、MNP23カ月連続首位 顧客競争はどこが制す?
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会見で通信障害への対策とLTEネットワーク戦略について発表するKDDIの田中孝司社長=2日、東京都千代田区 次期iPhoneの発表を間近に控え、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)利用実績が6日、各社から発表され、KDDIが8万7700台と今期最大の転入超過で23カ月連続のトップになった。
一方、同日、電気通信事業者協会(TCA)が発表したスマホやタブレット、携帯を含めた端末の純増数(新規契約数から解約を差し引いた数)は、ソフトバンクが25万300台で20カ月連続のトップ。2位はKDDIの20万9200台、3位はNTTドコモの4万3000台だった。
MNPとは、現在利用している電話番号のまま、ほかの携帯電話会社へ契約を切り替えられるサービス。KDDIはユーザーの支持を測定する指標として、このMNPを重視してきた。2位のソフトバンクは5万6800台の転入超過、3位のドコモは14万5000台の転出超過だった。
好調の要因について、KDDIは「自宅の固定回線とセットで割り引く『auスマートバリュー』のキャンペーンが好調なことや、人気のiPhone5から定番モデル、個性豊かなauオリジナルモデルまで端末が幅広く選べることではないか」と説明する。
KDDIでは、4~5月に連続して発生したLTE関連の通信障害によるMNP流出も懸念されていた。そんななか、田中孝司社長は2日の定例会見で、「障害対処のフェーズはほぼ完了した。設備は今後も増強していく。新幹線、地下鉄での移動中や、大勢の人が集まる花火大会での通信環境の改善に努めるなど、ユーザーの信頼回復のために地道な対策を重ねた」とアピール。「LTEネットワークをさらに強化するフェーズに入る」と、「つながる力」をキーワードに挙げた。
KDDIは、帯域の中でもつながりやすいとされ、“プラチナバンド”と呼ばれる800MHz帯のエリア拡大を図っていく方針だ。8月末時点の実人口カバー率は97%、2014年3月末には99%になる見込みで、次期iPhoneが800MHz帯のLTEに対応すれば、「LTEのエリア競争に終止符を打てるのでは」(田中社長)と自信をのぞかせている。
ドコモが今秋から次期iPhoneを発売するとの一部報道もあり、iPhoneの扱いで先行するソフトバンクとKDDIを軸とした顧客獲得争いが、一層激しさを増しそうだ。