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「安定供給とイラク復興に貢献」 石油資源開発、ガラフ油田で本格生産

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「安定供給とイラク復興に貢献」 石油資源開発、ガラフ油田で本格生産

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 石油資源開発が開発に参画するイラク南部に位置する「ガラフ油田」の本格生産に伴う式典が21日、イラクのマリキ首相やシャハリスタニ副首相、同社の渡辺修社長らが出席し、現地で行われた。日本企業がイラク戦争後の復興で原油生産にこぎつけるのは初めて。

 東日本大震災による原発の稼働停止で原油の安定供給先の確保も重要課題になっており、渡辺社長は「安定供給とイラク復興に貢献したい」と話す。2014年2月にも日本向けに輸出、17年には日量23万バレルまで増産する計画だ。

 開発やインフラ整備の遅れが目立つイラクで、生産設備から建設する石油開発の生産開始は今回のガラフ油田が復興後初めて。訓練センターによる人材育成も奏功し、他社より早く生産が開始できたことでマリキ首相から歓迎された。

 日本企業のイラク石油開発への参画は欧米勢に出遅れたが、同社は長年の技術協力の実績に加え、マレーシア国営石油大手ペトロナスと組むことで09年12月に開発権を落札、その後は三菱商事なども加わった。

 このほか、国際石油開発帝石もロシア石油大手と探鉱で参画する。合意目前で交渉が決裂したナシリア油田は年内にも製油所建設とのパッケージで国際入札が予定され、日本勢の参画も注目されている。

 今後は火力発電所や製油所など復興に向けた大型インフラ案件がめじろ押しで、今回のガラフ油田の生産開始は日本企業のイラク進出の後押しにもなりそうだ。

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