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カザフ巨大油田の生産開始 国際石油開発帝石
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国際石油開発帝石は12日、中央アジアのカザフスタンにある世界有数の巨大油田「カシャガン油田」で原油生産を開始したと発表した。帝石を中心とした日本勢の企業連合が7.56%の権益を持ち、10月にも取り分の出荷が始まる予定。
同油田はカザフスタン西部のカスピ海沖にあり、日本の原油輸入量の約10年分に相当する90億~130億バレルの可採埋蔵量を持つ。
開発には日本勢に加え、米エクソンモービルなどの欧米系メジャー(国際石油資本)やカザフスタンの国営石油会社が参画している。
生産量は今後1カ月で日量18万バレルに達した後、来年秋ごろには37万バレルまで段階的に増やす予定。日本勢が取り分の全量を日本に輸入すれば、国内消費量の1%弱をまかなえる。
ただ、同油田から日本に原油を直接輸送するのは航路が長距離になりすぎるため難しく、帝石は基本的に欧米系メジャーなどとのスワップ取引で同等量の原油を輸入する方針だ。
カシャガン油田は2000年に発見されたが、有毒の硫化水素が高濃度で含まれるため開発が難しく、生産開始は当初予定の05年から大幅に遅れた。
帝石は「石油鉱業の歴史からみてもそれなりの位置づけをされる巨大油田だ。メジャーのなかに帝石が絡めたことに意義がある」と強調している。