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米債務問題、国内でも広がる懸念 債券運用益減、投資意欲に影
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米政府債務問題をめぐり、国内でも経済への悪影響を懸念する声が出始めている。
日本の米国債保有額は7月末で1兆1354億ドル(約110兆1338億円)と、中国に次ぐ世界2位の規模。財務省によると、2011年度末の外国為替資金特別会計に占める外国債の金額は前年度比9兆7245億円増の64兆4339億円で、米国債がかなりの割合を占めるとみられる。三菱東京UFJ銀行など3メガバンクだけでも計8兆円程度の米国債を保有しているもようだ。
今後、米議会が債務上限の引き上げで合意できず、米国債がデフォルト(債務不履行)に陥ったり利払いが滞る事態になれば、損失リスクを回避しようと投資家が米国債を売り浴びせ、価格が下落(金利は上昇)する可能性がある。そうなると日本でも国の債券運用益が減少。銀行も多額の含み損を抱えるおそれがあり、「影響は非常に大きい」(麻生太郎財務相)。
米国債の動揺は金融商品にも影をおとしかねない。市況好転で銀行や証券会社では投資信託の販売が伸びている。高利回りの新興国を投資対象とした投信が人気だが、米国債が不安定になれば「投資意欲そのものが大きくそがれる」(大手証券)。
米国債で運用する米ドル建ての生命保険も、金融市場が動揺し円高に巻き戻せば、受け取る保険金が減り、資産形成に思わぬ影響が出る可能性がある。
生命保険各社は資産運用でも戸惑いが広がる。日銀の「異次元」緩和に伴う長期金利の低下で、国債を軸に運用する各社は運用成績が悪化。資産の一部を国債より利回りが高い米国債に振り向ける動きが出ている。だが米国債の変動率が高まれば安定運用を目指す生保にとって投資対象としての魅力が薄れる。「運用益を確保したくても投資先がなくなる」(運用担当者)との警戒感が強まっている。