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東電、3年ぶり新卒採用「将来の幹部候補」 来春331人内定
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東京電力本社=東京・内幸町 原発事故に伴って人材流出が続く東京電力が、新戦力の採用に踏み切る。2014年3月卒業予定の大学、高専、高校卒の計331人に対し、このほど内定を出した。新卒採用は3年ぶりで、福島第1原発事故前の採用規模を大幅に下回る。だが、厳しい経営環境にかかわらず東電を選んだ学生もおり、会社側は「将来の幹部候補」と期待する。
内定者の内訳は、大卒が122人(事務系24人、技術系98人)、高専・短大卒が37人(すべて技術系)、高卒が172人(すべて技術系)。全内定者331人のうち女性は24人。福島県の復興を支えるため、同県出身者を対象にした「福島枠」の内定者は32人だった。
東電は原発事故前、毎年800~1100人規模の新卒採用を実施。大卒のみで毎年約4万人が資料を請求し、約7000人が応募する人気企業だった。
今回の応募者は600人程度にとどまった。内定者の大半は、事故前からつながりのある通信、建築など電気事業に関連する各大学研究室の卒業予定者とみられる。有名企業の内定を蹴ってまで東電を選んだ人材もおり、同社幹部は「非常に頼もしい」と期待している。
東電の発電や送配電設備の保守部門では、機器の異音を聞き分けられるような技能が求められている。事務部門でも、電気料金の複雑な計算を処理するノウハウが必要とされる。
東電は、これらの技能やノウハウを若手社員に引き継がなければ、将来の電力の安定供給に影響が出る懸念があるとして新卒採用に踏み切った。
東電では原発事故の発生以降、人材流出に歯止めがかからず、これまでに1200人余りが依願退職している。
年度 新卒採用数 社員数
2009 822 3万8227
10 1102 3万8671
11 1093 3万8701
12 0 3万7231
13 0 3万6000(計画)
14 331 未定