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ミラーレス一眼の競争激化 各社、高性能・小型化を加速
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富士フイルムの新型ミラーレス一眼カメラ「X-E2」(右)=18日、東京都渋谷区 デジタルカメラ各社が年末商戦に向けて、レンズ交換可能な「ミラーレス一眼」の新商品を相次いで投入する。カメラ機能を搭載するスマートフォン(高機能携帯電話)の台頭により、レンズ一体型のコンパクトカメラの販売が苦戦しているためだ。各社はミラーレス一眼の高性能化や小型化を加速。一眼レフで高いシェアを持つキヤノンとニコンの2強も巻き込み、競争は新たなステージに突入している。
富士フイルムは18日、ミラーレス一眼「X-E2」(想定価格約11万円)を11月9日に発売すると発表した。高画質に加え0.08秒の高速オートフォーカスを搭載。エントリー機の「X-A1」(約6万円)も投入予定で、5%程度のミラーレス一眼のシェアを10%程度まで引き上げる狙いだ。
パナソニックが同21日に発売するミラーレス一眼「LUMIX GM」(レンズ付き・約9万円)は幅約98.5ミリ、高さ約54.9ミリ。コンパクトカメラ並みのサイズで、レンズ交換式で世界最小という。外装には革を使用し、高級感も出した。
ミラーレス一眼はパナソニックが2008年に初めて発売した。北尾一朗事業部長は「当初は『コンパクト以上、一眼レフ未満』だったのは事実だが、今は一眼レフに劣る部分がなくなってきている」と強調する。
ミラーレス一眼は、一眼レフのようにカメラ内部の反射鏡がないため、軽く小さくできる。光学ファインダー越しに被写体をとらえる一眼レフは速い動きにも撮影しやすいとされるが、ミラーレス一眼も高性能の電子ビューファインダーを採用する機種が登場。対応する交換レンズも増えている。
こうした中、オリンパスは一眼レフの開発を中止し、経営資源をミラーレス一眼に集中。今月発売した「OM-D E-M1」(約14万5000円)は、同社最高画質を売りにする。
各社がミラーレス一眼に力を入れるのは、スマホの台頭でコンパクトカメラの販売が落ち込む一方、スマホでは難しい写真を撮れる高性能なカメラに対する需要は根強いためだ。
ミラーレス一眼は単価、利益率とも高く、交換レンズの販売も期待できる。エントリー機では価格下落も起きているが「中・高級機は堅調」(メーカー幹部)という。
ソニーは、一眼レフでも上位機種にしか採用されない「35ミリフルサイズ」の大型画像センサーを搭載したミラーレス一眼「α7」シリーズを11月15日に発売。軽量ながら「α7」(約15万円)は約2430万画素、プロ向けの「α7R」(約22万円)は約3640万画素の高い描写力を実現した。
石塚茂樹業務執行役員は「一眼レフとミラーレスという区別は意味がない」と話す。プロも満足できるミラーレス一眼を投入することで、キヤノンとニコンが得意とする高級一眼レフ市場も取り込む狙いだ。
とはいえ、ミラーレス一眼が普及しているのは日本やアジアの一部が中心。その国内でさえ販売台数はレンズ交換式カメラの半分にも届いてない。
一眼レフを得意とする2強は大きくて重いという弱点をカバーしようと小型化を加速。キヤノンの「EOS Kiss X7」(約8万円)は約370グラム、幅約116.8ミリと一眼レフでは世界最小・最軽量級で販売も好調だ。ニコンが11月中旬に投入する「D5300」(約9万円)も炭素繊維を使って重さを約480グラムに抑えており、競争は熱を帯びている。