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恩恵はソニーだけだった? ドコモ「ツートップ」でスマホ出荷失速
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2013年度上期のメーカー別スマートフォン出荷数シェア 民間調査会社のMM総研が31日発表した2013年度上期(4~9月)の国内携帯電話端末出荷台数は1645万台で、前年同期比19.7%の大幅な減少となった。出荷台数が1700万台を割ったのは同社が調査を開始した2000年度以降初めて。スマートフォン(高機能携帯電話)のメーカー別出荷台数では米アップルに次ぎ、ソニーが初めて2位に浮上した。
出荷台数の大幅な減少は、NTTドコモのツートップ戦略に代表される端末絞り込みの影響が大きい。販売報奨金を積み増して特定の端末を安く販売したことで、その他の端末の売れ行きが急減。結果的に在庫が膨らんだ。米アップルの新型「アイフォーン」発売をにらんだ買い控えも響いたとみられる。
携帯電話市場を牽引(けんいん)してきたスマホの出荷台数は前年同期比14.5%減の1216万台にとどまった。同社では機能の進化や差別化が難しくなってきたのに加え、通信料金が高止まりしていて従来型端末からの買い替え需要が進んでいないためと分析している。
スマホのメーカー別出荷台数シェアは、米アップルが36.8%でトップ。08年7月にソフトバンクが国内で発売して以来、11半期連続で首位を保っている。
2位にはソニー(22.7%)が初めて登場。前年同期の9.9%から大幅にシェアが向上した。ドコモのツートップ戦略にソニーの「エクスペリア」が選ばれたことが追い風となった。
下期の出荷台数は、携帯大手3社が「アイフォーン」を販売したほか冬春モデルが出そろったことで、持ち直すと予想。今年度通期の総出荷台数は3960万台(前年度比5.3%減)、スマホは2990万台(同0.6%増)になるとみている。