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コンデジは消えていくのか? スマホ高性能化で縮む市場…ミラーレスに活路
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都内で開かれたパナソニックのミラーレス一眼カメラ「LUMIXGM」の発表会=10月17日、東京都港区 パナソニックやソニーなど、国内のデジタルカメラメーカーが「ミラーレス一眼」の新モデルを、年末商戦に向けて相次いで投入する。ミラーレス一眼は小型で軽いうえ、レンズを交換して本格的な撮影も可能。メーカー各社はさらなる小型化、画質向上を競っている。
背景には、スマートフォン(高機能携帯電話)内蔵カメラの性能が飛躍的に伸びたために陥ったコンパクト型デジカメの不振がある。「コンパクト以上、一眼未満」とされてきたミラーレスは、高性能がウリの一眼レフの市場に侵食できるのか、注目が集まっている。
「当初は『コンパクト以上、一眼レフ未満』の商品だったが、一眼レフに劣る部分がなくなってきた」
5年前にミラーレス一眼を業界で初めて開発したパナソニック。北尾一朗DSC事業部長は10月の新モデル発表会でこう言って胸を張った。
11月21日に発売する「LUMIX GM」(想定価格約9万円、標準ズームレンズ付き)は、レンズ交換式では世界最小の幅98・5ミリ、奥行き30・4ミリを実現。高性能センサーと高いオートフォーカス機能を搭載しており、Wi-Fi(ワイファイ)接続によりスマホへの写真転送も可能だ。
コンパクト型並みのサイズと、コンパクト型を大きく引き離す画質。パナソニックは「一眼カメラはもはや、特別なものではない。日常的に活躍する」として、従来のコンパクト型ユーザーの取り込みも狙っている。
コンパクト型デジカメはスマホのカメラの性能が向上していることから、各社とも販売に苦戦。価格も下落している。
国内メーカーが加盟するカメラ映像機器工業会(CIPA)によると、レンズ一体型の出荷平均単価は、24年が9200円と、14年の3万2500円から7割下落した。
ここでいうレンズ一体型は「コンパクト型」だけではないが、パナソニックの予測では、コンパクト型の市場規模は24年度以降、毎年20%ほど縮小するとみられている。業界関係者は、「コンパクト型は、例えばリコーのGRシリーズなど、ブランド価値があって高付加価値化が可能な製品しか生き残れないのではないか」とみている。
国内メーカー各社は、採算の悪化したコンパクト型の事業縮小に動いている。
オリンパスは5月、コンパクト型の低価格モデルからの撤退を表明。24年度のデジカメの販売台数は当初計画から3割ほど下振れし、赤字が課題となっていた。同社では、一眼レフの開発中止も決定。経営資源をミラーレスに集中しており、10月発売した新モデル(17万円前後)は、一眼レフ用レンズを使う場合も性能が落ちないのが特長だ。
パナソニックでは、国内向けのコンパクト型について、自社生産の縮小を検討している。ミラーレスは利益率を確保しやすく、交換レンズの販売も見込めるためだ。
対するソニーは、高級化路線に走る。一眼レフの高級モデルにしか使われなかった大型画像センサーを初めて搭載した「α7R」(約22万円)は、約3640万画素の描写力。高級一眼レフの購入層も取り込む。
急速に普及するスマホのカメラが性能を大きく向上させる今、消費者が要求する水準がかつてなく高まっていることは間違いない。(南昇平)