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電機
「健康」着目の調理器具好調 家電各社
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家電メーカー各社が、「健康」をキーワードにした調理家電の販売に力を入れている。パナソニックは使い勝手をよくしたミキサーがヒット。シャープは生活習慣病に悩む消費者を狙った販売戦略が奏功。高付加価値化を進めることで、会社全体の収益改善につなげる狙いもある。
パナソニックは生の野菜や果物を使ったジュース「スムージー」を簡単に作れるミキサー「ファイバーミキサー」の販売が好調だ。4~9月の出荷台数は、前年同期の実績を7割上回った。人気の秘密は付属のスティック。これを上下に動かしながら混ぜると、キャベツや小松菜など浮き上がりやすい葉物野菜も簡単に攪拌(かくはん)できる。同社は「かゆいところに手が届く工夫が、葉物野菜を手軽に摂取したい消費者のニーズとマッチした」と分析する。
シャープは8月、健康食宅配サービスを手がけるファンデリー(東京都北区)と提携し、糖尿病や腎臓病の患者など、食事制限が必要な人でもおいしく食べられる15のメニューをサイト上に公開した。
過熱水蒸気で調理するオーブンレンジ「ヘルシオ」の拡販につなげるのが目的。同月投入したヘルシオの新シリーズも、出足は好調に推移しているという。
一方、日立アプライアンスは8月発売のIHクッキングヒーターのオーブン調理機能に、油を使わずに揚げ物風の調理ができる「ノンフライ」機能を追加し、好調だ。
調査会社ジーエフケーマーケティングジャパンによると、今年1~6月のミキサーの販売数量は前年同期比18%増、ハンドブレンダーが7%増とそれぞれ伸長するなど、調理家電の市場は活性化している。