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中国人の“愛国”事情 「ミサイル」「家電は中国産」「小日本を倒せ」

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

中国人の“愛国”事情 「ミサイル」「家電は中国産」「小日本を倒せ」

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【中国ネットウオッチ】

 中国の中央テレビ(CCTV)が1日の国慶節(建国記念日)に合わせて市民に「愛国」への思いを聞いた連続インタビュー。すでに、海外の報道では市民の冷ややかな反応が伝えられているが、関連するネット上の書き込みを見ると、「愛国」押しつけへの反感や自虐的な反応に加え、官製メディアにはかえって登場しない反日的な言動もみられる。

 2000人超から厳選

 CCTVが1日からニュース番組の中に設けたコーナーは「国慶特別調査 愛国で何をイメージしますか」で、同局のサイトでも視聴できる。内容は、街中から農村まで、記者が「あなたにとって愛国者とは」「愛国と聞いて思い浮かぶ言葉は」などと問いかけ、庶民が答えるもの。取材対象は2000人以上といい、その中からえりすぐりの回答が放送されたとみられる。

 老婦人が中国共産党をたたえる革命歌を歌ったり、会社員風の男性が「(ネットで)噂を流すのは愛国ではない」と答えたりする模範的なものに加え、ネット上では「愛国者とは?」と聞かれた学生が、米国製の地対空誘導弾パトリオットの中国語名にかけて「ミサイル」と“誤答”した場面が人気を博した。

 放映されず“暴露”も

 CCTVは昨年の国慶節には「あなたは幸福ですか?」と聞く番組を制作し、一部から不評を買った。今回の放送でも、著名経済人の任志強氏が中国版ツイッター「微博」で、「愛国とは?」と聞かれたのに対し「人民の生活を良くし、さらなる権利と自由を享受できるよう政府の一切の誤りを批判することだ」と答えたのに放映されたかった、と主張した。

 任氏の発言は、英BBCの中国語版サイトも、番組の恣意(しい)性を証明するものとして引用。法輪功系の在米中国語新聞「大紀元」(電子版)は、「腐敗した権力にこび、常習的にウソをまき散らすCCTVを解散させることが愛国だ」とするネットユーザーの発言を紹介している。

 反感、自虐、反日

 番組に関連し、微博の一つ「新浪微博」では、「あなたが国を愛していると証明できる一言」という「話題」が設けられ、10日までに7万件以上の書き込みがあった。

 大まかな傾向をみると、「私は中国人だ」「私は浙江(省)を愛している」と出身を強調するものや「家電は全部、中国産」「中国の歴史を学んでいる」「五星紅旗を誇りに思う」などと素直に愛国心を表現するものが目立つ。

 次いで「10年間英語を勉強しても中国語しか話せない」「国慶節休みに海外旅行にいかなかった」というやや自虐的なものも。さらに「国が人民を愛していると一言で証明できるのか」「小さいころから国産の毒粉ミルクを飲み、大きくなっては国産のドブ油を食べ(中略)まだ愛国が必要なのか」と問いかけそのものに反発する書き込みもあった。

 目につくのが、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国のものだ」「小日本(日本の蔑称)を倒せ」という反日の書き込み。中国政府を批判する過激な表現が見当たらないことから、反日の表現は削除されずに放置されているものとみられる。

 ただ、千葉県在住とみられる中国人女性の投稿にこんなものがあった。船橋市役所の写真とともに、「日本の政府機関のサービスは本当にすばらしい。コネも接待もいらない。お昼休みも窓口が開いていた」と書き、「愛国を証明する言葉」としてこう結んでいた。「あなた(中国)、努力しなさいよ」 (田中靖人)

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