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不適切表示…信頼損ねた百貨店業界 年末商戦に影響懸念
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不適切表示についての説明・謝罪文が掲出された日本橋高島屋内の「フォション」の店舗=5日午後、東京都中央区 高島屋は5日、百貨店5店舗とショッピングセンター1施設のレストラン、売り場でメニュー表示と異なった食材の使用が判明したと発表した。J.フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店も同日、愛知県や福岡県で昨年販売したおせち「フォション 洋風 二段」に入っていた「車海老のテリーヌ」の材料が、実際はブラックタイガーだったと発表。大手百貨店で相次いで発覚した不適切表示は、商品の品質の高さが売りだった業界の信頼を損ねた格好だ。
高島屋によると、合計62品目で確認され、「車海老」と表示していたエビに「ブラックタイガー」を使用した例や、ステーキと表示している肉に「牛脂注入した加工肉」を使った例などがあった。不適切な表示が見つかったのは高島屋の日本橋店やタカシマヤフードメゾン新横浜店、新宿店など計5店舗と、柏高島屋ステーションモール。
大丸松坂屋によると、問題のおせちは昨年、松坂屋名古屋店で11個、豊田店で1個、さらに博多大丸の福岡天神店でも7個販売した。同社は「多大なご迷惑をおかけして深くおわびする」としている。
不適切表示問題を受け、百貨店業界からは年末・年始に向けた商戦への影響を懸念する声も出ている。
「認識が甘かった」。高島屋の増山裕常務は5日の記者会見で繰り返した。高島屋はレストランの使用食材について、産地などを定期確認しておらず、「業者任せのメニューが多かった」(増山常務)と弁明した。
百貨店業界は今年、景況感の改善で高額品を中心に販売が好調で、中間決算も好業績が相次ぐ。好調の背景にあるのは、高い品質の商品を求める消費者のニーズだった。それだけに、今回の不適切表示の発覚が「どこまで影響するか」(大手百貨店関係者)と不安視する。
また、車海老と表示しながらブラックタイガーを使用していたおせちは、複数の百貨店での販売が確認された。大丸松坂屋百貨店では今年も同種のおせちを販売予定だが「予約分について、取り換えや返金に応じる」(広報)方針。小田急百貨店も同日、このおせちの販売中止を決めた。
一方、一部百貨店では、関西のホテルで食品の不適切表示が発覚して以降、レストランや総菜売り場で社内調査を実施。レストランの運営会社などに「製法、産地、銘柄に関するトレーサビリティ(履歴管理)資料の提出を求める」(松屋)などの対応を急いでいる。