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事件・不祥事
素人に見分けつかないエビ ステーキに脂注入で「霜降り牛」
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バナメイエビを「芝エビ」と表記、牛脂注入肉を「加工肉」と表示せず…。今回の問題では、エビや牛肉をめぐる不適切な表記が相次いだ。
エビ販売業「海老の大丸」(神戸市)によると、シバエビが1キロ2500~3千円で取引されるのに比べ、東南アジアから冷凍輸入されるバナメイエビは1キロ2千円程度で安価だ。
中国料理の業界団体「日本中国料理協会」(東京)によると、エビのチリソースなどに用いられるシバエビは体長約15センチのものが一般的だが、この20年で国産は小ぶりなものしか取れなくなり、味やプリッとした食感、大きさが変わらないバナメイエビが代用品として使われるようになった。だが、一般の消費者では見分けはほとんどつかない。
さらに価格差が大きいのはクルマエビとブラックタイガーだ。東京・築地市場で31日に取引された天然のクルマエビは、1キロ9450円、養殖でも6300円だった。一方、冷凍ブラックタイガーは1キロ2200円程度という。
日本中国料理協会の担当者は「調理の現場では、代用品としてバナメイエビが登場して以降も、小さなエビは『芝エビ』と慣習的に呼んできてしまった。『バナメイエビのチリソース』ではお客さんも頼みたくなくなってしまう」と話す。
同協会は31日「たとえ業界内の慣習だったとしても結果として消費者を欺くことになる。気取っている場合ではない」として、別のエビで代用する際は「芝エビはエビ」「車エビは大エビ」などと表記を統一するよう、全国約350人の役員に通達した。
エビだけではなく、牛肉でも問題は続出した。近鉄系のホテルでは、牛脂注入肉を使いながら「ビーフステーキ」とし、「加工肉」と表示していなかった。
牛脂注入肉とは、外国産の脂の少ない肉に脂肪を注入することで霜降り入りに加工された肉。国産牛の脂が注入されることが多く、安い外国産肉でも日本人の好みに合った柔らかく、おいしい肉になるという。
日本食肉協会(東京)によると、食肉専門店やスーパーで牛脂注入肉を販売する場合、「加工肉」と表示しなければならない規約があるが、外食産業では特に決まりがなく、「あいまいなまま提供されているケースは多い」(食肉関係者)との声もある。