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神戸製鋼所、燃料電池車見据え存在感 水素ステーション向け高圧力容器

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神戸製鋼所、燃料電池車見据え存在感 水素ステーション向け高圧力容器

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 海外の水素ステーションに比べ、高圧ガス保安法が厳しいとされる日本では設置コストの高さが問題視される。仕様などが同一でないため単純に比較することはできないが、一説には海外では1億5000万円程度とされるのに対し、日本では3億~5億円かかるとの指摘もある。経済産業省の規制見直しにより、コストを削減した新たな水素ステーションを開発する動きも出ている。

 運転性などフィードバック

 神戸製鋼としては「FCVの発売前で検証も難しいが、容量や運転性、トラブルがないような静音性など全体を見てフィードバックしながら」(三浦氏)ステーション全体の構築に向けた動きをしているのが現状だ。

 自動車メーカーとインフラメーカーは15年度までに、首都圏など4大都市圏を中心に全国100カ所程度の水素ステーションを新設することを打ち出している。FCVの登場と軌を一にしながら、ステーションの設置が増えれば、それだけコストを抑えられる。三浦氏は「水素エネルギーの活用で、エネルギーの世界のあり方が根本から変わる」と指摘する。15年度に向けた開発競争の厳しさが増す中、鋼材や圧縮機の開発実績、スタンド設置のノウハウ蓄積などを続ける神戸製鋼の存在感は増していきそうだ。(兼松康)

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