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自動車労組、月額4千円のベア要求額は安い?
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自動車各社の業績が軒並み過去最高を更新するなか、春闘相場をリードする自動車関連の労働組合からは数年ぶりのベースアップ(ベア)要求が相次いだ。ただ、平成26年3月期に2兆4千億円と巨額の営業利益を見込むトヨタ自動車でも、労組のベア要求額は月額4千円にとどまる。急激な円高で苦汁をなめた直後でもあり、競争力確保を考慮した慎重な交渉となりそうだ。
「決して低い水準ではない。厳しい協議を強いられる」
トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会の金子晃浩事務局長は、12日の会見でこう強調した。
トヨタは26年3月期の営業利益が過去最高益を更新する見通し。トヨタ労組はベア算定にあたり、連合など上部団体が掲げた平均月給の1%(約3500円相当)に、好業績を反映した500円をプラスした。自動車各社の要求は、トヨタ労組の判断を踏まえ、1%程度か若干の上積みに収まった。
トヨタのベアは、現在の賃金体系となった13年以降では、18~20年の春闘で実施した1千円が最高だ。トヨタが今春闘でベア4千円と一時金(6・8カ月分)を満額回答した場合、賃金に福利厚生費などを含めた総額人件費は、単純計算で前年比270億円程度増えるとみられる。経営に与える影響は少なくない。
労組側にも強気な要求が難しい事情がある。自動車各社が生産の海外移管を進める中で、労組にとっては空洞化が進む国内の雇用確保が課題となっている。過剰な賃上げ要求が雇用削減につながる懸念や、業界が横並びで統一要求を行う慣習から、突出した要求は厳しいのが実情だ。
自動車総連の相原康伸会長は「来年、再来年に向け着実にデフレ脱却の橋を架ける」と強調し、今春闘を継続的な賃上げの端緒と位置付けた。