SankeiBiz for mobile

自動車労組、賃上げ実現へ要求書提出 集中回答日へ交渉本格化

ニュースカテゴリ:企業の自動車

自動車労組、賃上げ実現へ要求書提出 集中回答日へ交渉本格化

更新

富士重工業の吉永泰之社長(左)に要求書を手渡す同社労働組合の北川秀一執行委員長=12日、東京都新宿区  自動車各社の労働組合が12日、一斉に2014年春闘の要求書を会社側に提出した。円高是正や販売増、原価低減などで業績が好調なことから、年間一時金(ボーナス)に加え、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分の獲得を目指す。電機や鉄鋼とともに春闘相場に大きな影響力を持つ自動車業界の交渉が、3月12日の集中回答日に向けて本格化する。

 全トヨタ労働組合連合会傘下の製造系労働組合は、119組合全てが組合員平均月給の1%以上のベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分を求めた。年間一時金の平均要求月数は前年より0.11カ月多い5.01カ月とした。

 119組合の平均ベア要求額は2906円で、トヨタ自動車労組は4000円。うち50組合がトヨタ労組と同等の1.15%程度かそれ以上のベアを要求しており、グループ内の賃金格差是正を目指す。愛知県豊田市内で会見した全トヨタ労連の金子晃浩事務局長は「全組合がベアを要求したことは過去10年なかった。労働の質の向上を適正に賃金に反映させてほしい」と述べた。

 一方、富士重工業の労組は13年度の業績が過去最高となるとの見通しを踏まえ、3500円の賃上げと6.0カ月分の年間一時金を要求した。北川秀一執行委員長は「組合員1万2000人の努力と思いを代表して提出する」と経営側に要求書を渡し、満額回答を迫った。

 自動車各社では、12年ぶりのベア要求となった三菱自動車のほか、スズキ、マツダ、ダイハツ工業の各労組も軒並み3500円を求めた。年間一時金の要求額は5.0~5.5カ月分。

 成果主義に基づく独自の賃金体系をとる日産の労組は、1人平均9500円を要求。このうち3500円が賃金改善分に当たるが、全員の給料が増えるわけではないという。一時金は5.6カ月分を求めた。

 自動車業界の労働組合でつくる自動車総連の相原康伸会長は同日の会見で「(好業績は)職場の血のにじむ努力と異次元の働き方が支えた」と強調した。

 ただ、ベアを実施すればボーナスや退職金の増額にもつながり、人件費が膨らむ。このため経営側は「業績が改善すれば従業員に報いる」としながらも、ベアの実施を明言するケースは少なく、慎重な姿勢が目立つ。ホンダも「賃金引き上げは物価動向やグローバル競争力などの観点を踏まえて検討していく」とのコメントを同日発表した。

ランキング