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消費増税後の市場、節約志向か高付加価値か 二極化に挑む企業

ニュースカテゴリ:企業のメーカー

消費増税後の市場、節約志向か高付加価値か 二極化に挑む企業

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そごう・西武が大手百貨店として初めて参入したSPAによるブランド「アベック・モード」の売り場=東京都豊島区の西武池袋本店  首都マニラから車で約1時間。稼働を始めたばかりのフィリピン工場で、バンダイの岡田圭介執行役員はクリスマスを迎えた。

 「ようやく間に合わせることができる」。カプセル玩具事業の責任者である岡田氏は、この工場で製造しているアニメキャラクターのフィギュアの仕上がりに安(あん)堵(ど)した。

 岡田氏が「間に合わせよう」と意識したのは、もちろん4月の消費税率引き上げだ。フィリピン工場では今後、新開発したフィギュアなどを用いた100円、200円の低価格帯カプセルの生産に対応することになる。人件費が高騰した中国から生産拠点を移管し、コスト削減を図るためだ。

 一方、バンダイは消費税率の引き上げに合わせ、500円などの高価格帯のカプセルもてこ入れする。これまでの球型のカプセルには入りきれない大型の玩具を提供するため、円筒型カプセルを投入する。

 ■節約もぜいたくも

 カプセル玩具をめぐるバンダイの対応は、消費税率引き上げ後の消費者の動向をにらんだものだ。キーワードは“二極化”。増税によって消費者の節約志向が再び強まるとの観測もある一方、アベノミクスによる景気回復の流れを受け、趣味やこだわりの商品には出費を惜しまないという観測もある。企業にとっては、難しい対応を迫られるが、同時にこれをチャンスにしようという動きもある。

 その代表例が、そごう・西武が取り組むSPA(製造小売り)だ。

 SPAは「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが得意とする手法で、製造から販売までを自社で手がけるのが特徴だ。そごう・西武も2月19日に西武池袋本店に50代向けのSPAブランド「アベックモード」の売り場を立ち上げた。

 SPAの強みは、自社でデザイナーや工程管理の担当者など採用し、中間コストを省くことで、価格をメーカー品の3~4割安に抑えることができる点にある。加えて、新商品の投入サイクルを2週間程度に短縮できるため、店頭での消費者の反応をみながら、価格や商品構成を柔軟に変更できるというメリットもある。

 そごう・西武は「(増税で)一時的に消費が落ち込んでも、新しい商品を見ると『ほしい』気持ちを我慢できない」(堤真理自主商品部長)という消費者の心理に訴えようとしている。

 ■デフレは終わった?

 スーパーも“二極化”に対応した、新たな戦略に打って出ようとしている。

 イオンは、低価格を武器に売り上げを伸ばしてきたプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の半数以上で本体価格の引き下げを検討。商品全体に占めるPB比率を、さらに高める計画だ。

 一方で、PBの高価格帯商品の品目数を、平成26年度中に現在の300から450~500品目に増やす。「消費がネガティブになるところに、イオンへ行ったらおもしろいと言ってもらえる商品群を考え、消費市場のシェアを取る」(横尾博専務執行役)という狙いだ。

 「金の食パン」のヒットなど、以前から高価格帯PB「セブンゴールド」に力を入れてきたセブン&アイ・ホールディングスも、各カテゴリーのトップメーカーとの連携を強化し、付加価値の高い高価格品の品ぞろえを増やしている。

 ユニーグループ・ホールディングスも、緑茶など購入頻度の高い15~20品目で高価格帯PBを新たに投入する。

 長く続いたデフレ環境下で、低価格競争を強いられてきたメーカーにとって、「メーカー品よりも高額なPB商品が発売され、ヒットしていることは頭を殴られたような衝撃」(大手ビール幹部)だったとされる。

 「高付加価値、高価格なのか、それとも節約志向の低価格なのか」-。流通や食品メーカーなどは、こうした消費者の複雑な動向に必死に対応しようとしている。そして、その対応に成功した企業だけが、消費税8%時代の企業間競争の主導権を握ることを許される。(山沢義徳、松岡朋枝、平尾孝)

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