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日立、汚染水漏れ調査ロボを開発 遊泳して障害物回避、早期投入目指す

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日立、汚染水漏れ調査ロボを開発 遊泳して障害物回避、早期投入目指す

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 日立製作所と日立GEニュークリア・エナジー(茨城県日立市)は10日、東京電力福島第1原子力発電所内の汚染水漏れを調査するロボットを開発したと発表した。遠隔操作により、水中で障害物を回避するロボットと、配管内や段差のある場所でも移動できるロボットの2機種。日立は今後、資源エネルギー庁や東京電力などと設計面の詳細を詰めて現場への投入を目指す。

 開発した「水中走行遊泳型ロボット」は重量約31.5キロ。水中の床面を走行するほか、障害物がある場合、遊泳して回避する。壁面に吸着して走行できる機能も搭載している。

 「形状変化型ロボット」は重量約7.5キロで、ヘビのように変形し直径10センチの配管を通過できる。また段差のある場所でも平面走行できる。配管を通り抜けた後には形状を変えてカメラ撮影も行える。

 福島第1原発は圧力容器内を冷却するため、水を注入しているが、その一部は原子炉建屋内で漏洩(ろうえい)し放射性物質を含む汚染水となっている。汚染水を減らすには、建屋内の漏洩場所を特定し補修する必要があり、今回の調査ロボットの活用が期待されている。

 実用化時期については、「資源エネルギー庁の補助事業のため、明言できない」(日立)としているが、これから現場での活動に即した設計作業を行う予定となっており、早期の投入を目指す。

 福島第1原発1~3号機は、炉心溶解(メルトダウン)を起こし、原子炉内は放射線量が高い。このため人が作業できない状態が続いている。三菱重工業も2月に遠隔作業ロボットを投入しており、調査用・作業用ロボットの活用が相次いでいる。

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