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汚染廃棄物の容積、10分の1に圧縮 近大と中外炉工業

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汚染廃棄物の容積、10分の1に圧縮 近大と中外炉工業

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近畿大学と中外炉工業が開発した装置を使えば、高さ1メートルの木材チップ(左)が高さ10センチのバイオコークスに小型化できる=19日、東京都千代田区  近畿大と中外炉工業は19日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染で出た汚染廃棄物の容積を10分の1に小さくするシステムを開発したと発表した。

 福島県内各地の仮置き場に一時保管されている大量の汚染廃棄物を小型化できれば、中間貯蔵施設まで効率良く安全に運べる。

 近大と中外炉工業は、草木や果物の搾りかすから固形燃料「バイオコークス」を造る装置を開発済み。木材を細かく砕いて圧力をかけ、約180度で熱して冷却すると10分の1の大きさのバイオコークスができる仕組みだ。高さ1メートル、直径10センチの円筒形の容器に詰めた木材チップであれば高さ10センチ、直径10センチのバイオコークスに圧縮できる。

 今回、この技術を応用して汚染木材を圧縮化。実験では、放射性物質をしっかり閉じ込めることができたという。圧力をかけながら熱するので、木材に含まれる汚染水も蒸発させずに製造できる。

 国は、福島県の2町に中間貯蔵施設(最大容量2800万立方メートル)を造り、県内各地の仮置き場から汚染廃棄物を集約する方針。ただ、運搬には10トントラック1500~2000台が1日2~3往復しても3年かかるとされる。汚染木材を圧縮化すれば、トラック台数を10分の1に削減できるほか、運搬中の振動で木材チップが飛散する危険もなくなる。

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