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武田薬品のウェーバー次期社長がCOO就任 日本板硝子、ソニー…外国人経営者の功罪は
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記者会見する武田薬品工業次期社長のクリストフ・ウェバー氏=2日午前、東京都中央区(撮影・大橋純人) 欧米では、有能な経営者が海をまたいで企業を渡り歩くことは珍しくない。日本企業も、外国人経営者をトップや取締役として迎え入れたケースは多い。だが、業績を立て直す“救世主”がいる一方、所期の目的を果たせないまま退社した経営者もおり、その功罪は相半ばしている。
「事業のあらゆる面で、グローバル競争力のある会社になる必要がある」
武田薬品工業の長谷川閑史社長は、クリストフ・ウェバー氏をライバル社から異例のヘッドハントで迎えた理由をこう語る。ただ、これまで日本企業のトップに座った外国人経営者の足跡はさまざまだ。
成功者の例としては、日産自動車のカルロス・ゴーン社長がいる。自動車業界では、業績悪化に陥ったマツダが米フォード・モーターと資本提携した際、外国人社長を出したケースがあるが、ゴーン社長は工場閉鎖や系列解体といった容赦ないコストカットを断行。大胆な経営合理化で日産をよみがえらせた。過程より結果を重視する姿勢は反発を招くことも多いが、「コミットメント(目標必達)経営」という手法を日本に浸透させた功績は大きい。
グローバル化が進む中、社長だけでなく、取締役など経営陣のグローバル化も進む。武田も取締役6人中2人が外国人。経営幹部会議の定例メンバーでは10人中6人を外国人が占める。ただ、言語の違いがリスクになってつきまとう。あるメーカーの首脳は、「社内外のコミュニケーションが不十分になる」と弊害を指摘。武田の関係者も「資料作りだけでも大変な作業」とこぼす。
言語だけでなく、日本企業の慣習、文化の問題も横たわる。日本板硝子は英国のスチュアート・チェンバース氏、米国のクレイグ・ネイラー氏と、短期間に2人の社長が辞任。辞任理由に「家族を優先したい」「戦略に関する取締役会での意見の不一致」などがあがったように、結果的に日本企業になじめなかったことを露呈した。
また、高い報酬に対し、社内や株主の理解が得にくいという問題もある。リストラに取り組みながら、業績低迷を脱却できなかったソニーの会長兼社長を務めたハワード・ストリンガー氏が、平成22年度に8億6千万円超の報酬を受け取っていた。「数億円もザラ」という外国人トップの報酬は社員の不満につながるケースもある。