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地銀再編、地域活性化の鍵に 人口減、迫られる経営基盤強化
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地方銀行の再編が活発化してきた。人口減少や取引先企業の海外進出などを背景に、融資など金融サービスへの需要が先細りするとみられているためだ。金融庁が再編を強く促すなか、首都圏を地盤とする東京都民銀行と八千代銀行が今年10月の経営統合を発表。この動きが全国に広がる可能性が高い。再編を通じた地銀の経営基盤強化は、地域経済活性化の鍵も握る。
「業務提携や経営統合を経営課題として考え、今年は答えを出す年にしてほしい」
金融庁の畑中龍太郎長官は今年1月中旬、全国地方銀行協会と第二地方銀行協会の会合で、出席した地銀首脳らに迫った。
地銀と第二地銀は全国に105行あり、融資金利の引き下げ競争で利ざやが縮小するなど過当競争の影響を危惧する声は以前からあった。金融庁は再編で銀行を適正数に減らすことで経営安定につなげたい考えだ。
昨年9月に金融庁が公表した銀行への検査・監督方針で「5~10年後を見据えた経営戦略を検討することが重要」と指摘。昨年末の地銀と金融庁幹部との意見交換会で、地域の市場規模と人口動態などから推計した、2025年3月時点の各行の収益予測を初めて提示した。今後の検査でも融資の査定に加え、中長期的な経営課題を重点的に検証し、「危機意識を持ってもらう」(幹部)狙いだ。
実際、再編にむけた胎動は始まっている。
「盤石な営業基盤を構築し、地域ナンバーワンの地銀グループにしたい」。八千代銀行との経営統合を決めた東京都民銀行の柿崎昭裕頭取は、5月の会見でこう強調した。
もう一つの都内の地銀再編である台湾大手の中国信託商業銀行による東京スター銀行の買収も、今月完了した。またオリックスが今月20日付で足利銀行を傘下に置く足利ホールディングス(HD)の第2位株主になる予定だ。
足利HDをめぐっては筆頭株主の野村証券系ファンドが再編による収益拡大を目指しているとされ、オリックスの出方次第では合従連衡が進む可能性がくすぶっている。
地銀による広域連携が、再編の布石になるとの見方も多い。今年1月には福岡銀行(福岡市)など有力地銀9行が取引先の紹介などを目的に業務提携。4月には第四銀行(新潟市)など有力地銀6行が災害時の対応などで業務提携した。
これまで地銀の再編は遅々として進まなかった。その原因は「経営の危機感が薄い」(地銀関係者)からだ。全国銀行協会によれば、地銀の預金量は5月末まで前年同月比で117カ月連続でプラス、第二地銀にいたっては137カ月連続でプラスだ。預金が増え、貸し出しで一定のもうけを確保できる状況では、危機感は生まれにくい。
だが、今年4月、地銀関係者に衝撃が走った。地方圏では世帯数が大都市圏よりも早く減少し、家計預金に下げ圧力として働く-。日銀が公表した金融システムリポートでこんな内容の分析が示されたからだ。預金が減少すれば、それだけ利益の源を失うことになる。
地方の活性化には、地域金融機関の存在を抜きには語れない。幅広く資金を供給して産業を振興し、地域経済の特色ある発展につなげることは、地元に密着した地銀に期待される大きな役割だ。その役割を果たすためには経営基盤の強化が欠かせず、地銀再編の成否が地方経済ひいては日本経済の行方をも左右しかねない。(大柳聡庸、小川真由美)