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銀行・生保が「リスク志向」へ 外債購入や融資拡大、景気回復へ後押し

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銀行・生保が「リスク志向」へ 外債購入や融資拡大、景気回復へ後押し

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 金融機関や機関投資家が外国債券など比較的リスクの高い資産を増やしている。昨年4月からの日銀の大規模な金融緩和で国債の利回りが低下し、銀行は貸し出し、生命保険は外債などを拡大している。また公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が年内にも資産構成を見直し、日本株を買い増すとの観測が高まっている。外債や日本株の購入拡大は円安や株高につながり景気回復を後押ししそうだ。

 国内銀行は安全資産とされる国債の保有残高を減らしている。日銀によると、今年2月末の保有残高は約132兆円と、大規模な金融緩和を導入する前の昨年3月末と比べて約35兆円減った。

 日銀が金融緩和に伴い大量の国債を買い入れているため、14日の国債市場では約13年ぶりに新発10年国債の取引が終日成立しなかった。国債の利回りは低下しており、長期金利は0・6%程度で安定。銀行が国債の売買で稼ぎにくい状況だ。全国銀行協会の平野信行会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は「国債保有(の比率)はゆっくりと落としている」と説明する。

 銀行が国債保有を減らす一方で増やしているのが、貸し出しや外債などのリスク資産だ。日銀によると、国内銀行の2月末の貸し出し残高は約447兆円と、前年同月比で約13兆円も増えた。景気回復に伴い、「企業の資金需要は幅広い業種で拡大している」(平野会長)とし、国内銀行は今後も貸し出しを増やしていく方針だ。

 これまで銀行は保有株の下落リスクを減らすため持ち合い株の解消を進めてきたが、比較的利回りの高い外債を中心とした外国証券は増加している。今年2月末の外国証券の保有額は約47兆円と、1年前に比べて約4兆円増えた。米国の金融緩和縮小によって内外の金利差が広がれば、さらに外国証券の保有額が増える可能性がある。

 一方、22日までに出そろった生命保険主要5社の平成26年度の運用計画では、3社で外国債券が増加するなど、リスク資産を増やす方針が示された。

 三井生命保険は26年度に外債を500億円程度、富国生命保険は300億円程度積み増す。住友生命保険も「外債への投資を当然増やしていく」(佐藤義雄会長)方針だ。

 外債への投資が拡大するのは海外の金利の方が高いためだ。日本生命保険は外債を減らす計画だが、「金利や為替に応じて機動的に外債も調整する」(佐藤和夫財務企画部長)と含みを持たせる。

 それでも、各社が国内債券中心の運用方針を見直すわけではない。日生は26年度の運用資産の増加額1兆6000億円のうち、半分強を国内債に投資する計画。富国生命や三井生命も国内債の投資を増やす。生保は長期の負債を抱え、それに見合う長期の資産運用を計画する。ただ、生保各社は業績回復などで自己資本の厚みも増し、リスクをとりやすくなっているのも事実。

 日生は「外国株式、不動産、太陽光発電など成長分野への投資など、新しい分野への資金配分を増やす」(佐藤財務企画部長)計画だ。(大柳聡庸、万福博之) 

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