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115歳のサントリーに新風 次期社長の新浪氏が正式決定、「二人三脚」経営へ
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サントリーHDの佐治信忠会長兼社長(左)と、次期社長就任が決まった新浪剛史氏=1日、東京都港区 サントリーホールディングス(HD)が1日、次期社長にローソン会長の新浪剛史氏(55)を10月1日付で招く人事を臨時取締役会で正式決定した。佐治信忠会長兼社長(68)とともに同日、東京都内で会見した新浪氏は「サントリーの文化を継承し、真のグローバル企業として成長を目指したい」と抱負を述べた。2020年にグループ売上高を4兆円に伸ばす目標の実現に向け、今後は「二人三脚」(佐治氏)で経営にあたる。
サントリーは5月に米蒸留酒大手ビームを約1兆6000億円で買収、蒸留酒世界シェア10位から3位に躍進しており、新浪氏は「広がった販路を生かしていく」と、酒類事業の収益力を高める考えを表明。「まずは現場を回り、社員との対話を重ねて足元を固めたい」と述べた。
佐治氏は会見で「115歳を迎えたサントリーに新しい風、南風を吹き込んでもらいたい」と述べ、5代目にして初めて外部から社長に登用される新浪氏への期待を示した。
佐治氏は1980年の米ペプコム買収を皮切りに数々のM&A(企業の合併・買収)を繰り返し、創業一族ならではの強いリーダーシップで業容を広げてきた。
その一方で「社内が官僚化し、やんちゃな風土が薄れてきた」のが気がかりだったと言う。10月以降、新浪氏がトップとして経営手腕を振るえるようにオーナー会長として支える考えで「口を挟む意味の『二人三脚』は考えていない」と言う。
社長交代に伴い、創業者の鳥井信治郎氏の孫で、佐治氏のいとこに当たる鳥井信吾副社長が副会長に昇格、関西経済同友会を中心に財界活動を続ける。
グループ内では、食品子会社のサントリー食品インターナショナルで創業一族の鳥井信宏氏(48)が社長を務めており、新浪氏の「次の社長候補」と目されている。
それだけに、会見でも将来の同族経営への回帰について質問が集まったが、佐治氏は「同族出身のトップが続く必要はない」「最適な経営者に育てば(社長に就く可能性もある)」と中立的な考えを示し「最低10年間は新浪さんに頑張ってもらいたい」と述べた。
また、今後のM&Aについては「海外の成長チャンスを重視したい」とする一方、10年に決裂したキリンとの経営統合のような国内での再編も「ないとはいえない」と含みを持たせた。(山沢義●)
●=徳の心の上に一