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サッポロ、最終赤字転落ほぼ確実 「ゴクゼロ」見直し…116億円追加納税

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サッポロ、最終赤字転落ほぼ確実 「ゴクゼロ」見直し…116億円追加納税

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「発泡酒」に区分変更するサッポロビールの第3のビール「極ZERO」  サッポロホールディングス(HD)は20日、子会社のサッポロビールが第3のビールとして販売していた「極ZERO(ゴクゼロ)」を発泡酒として再発売することに伴う追加納税をめぐり、2014年4~6月期に特別損失として116億円を計上すると発表した。業績への影響は精査中としているが、14年12月期に見込んでいた連結最終利益50億円は吹き飛び、赤字に転落するのはほぼ確実となった。

 第3のビールの酒税率は350ミリリットル当たり28円だが、サッポロビールは発泡性酒類の基本税率(同77円)として修正申告。既に販売した数量について77円との差額分の税金と延滞税の計116億円を追加納税する必要が生じる見込みという。

 同社は国税当局から製法などの照会を受け、酒税率の適用区分の検証を続けているが、第3のビールに当たるかどうかの事実確認に至っていない。ただ、延滞税などの追加負担を避けるため区分の見直しと追加納税を自主的に決めた。今後、第3のビールであると明確になった場合は、税金の還付を求める更正申請も検討する構えだ。

 開発に4年かけた独自製法で、通風の原因になるとされるプリン体と糖質の両方をゼロにした極ZEROは、健康志向が強い消費者の人気を集め、昨年6月の発売から約1年間で約530万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を販売。14年の販売実績が1662万ケースの「黒ラベル」や「麦とホップ」(1342万ケース)、「エビス」(961万ケース)に続く看板商品に成長していた。

 ビール類の総需要が9年連続で縮小する中、第3のビールは伸び続けている唯一のジャンル。サッポロが14年のビール類販売量を5208万ケースと前年比0.4%増としたのは、久々のヒット商品となった極ZEROの貢献が大きかった。

 それだけに、16年12月期に134億円の最終利益を目指す3年間の中期経営計画も、初年度から見直しを迫られることになりそうだ。

 サッポロは第3のビールとしての極ZEROの販売を終えており、発泡酒として7月15日に再発売し、巻き返す構えだが、ビール類の需要が高まる時期に店頭から消え、顧客が他製品に流れた痛手は大きい。

 発泡酒の税率は350ミリリットル当たり47円。再発売後は第3のビールより価格が上がるため、顧客をどれだけ取り戻せるかは未知数だ。サッポロが現時点で見込んでいる「2割程度の販売減」にとどまる保証はない。

 ビール各社は今後、商品開発段階での検証に時間をかけるようになるとみられ、新商品が消費者に届くまでのサイクルが長期化する可能性もありそうだ。

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