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補償「上限」銀行間に差 ネット不正送金被害 みずほ5000万円 三井住友・三菱UFJは個別検討

ニュースカテゴリ:企業の金融

補償「上限」銀行間に差 ネット不正送金被害 みずほ5000万円 三井住友・三菱UFJは個別検討

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 インターネットバンキングの不正送金による法人企業の被害補償について、みずほ銀行は1日、補償額に1企業当たり年5千万円の上限を設ける方針を発表した。全国銀行協会(全銀協)が先月、被害企業に対する補償の指針をまとめたことを受けたものだ。だが、「一律に上限を設けるのは顧客本位の経営判断といえるのか」(大手行幹部)など、業界内には上限設定に否定的な意見もある。銀行によって補償対応に大きな違いが出れば、顧客に混乱を招く恐れもある。

 ネットバンキングの不正送金被害に対し、銀行は、個人については過失がなければ原則として全額補償する一方、これまで企業への補償はほとんど行っていなかった。

 しかし全銀協は先月、企業被害の急増を受けて、企業に対しても業界として基本的に補償に応じる方針を表明。ネットバンキングのパスワードを定期的に変更すること、「ウィンドウズXP」などサポートが終了したソフトを使わないことなど、補償に応じる具体的な条件を指針としてまとめた。

 これを受け、大手行の大半は補償に応じる方針を固めたもようで、みずほ銀行は3大銀行グループの先陣を切って補償上限を正式に決めた。

 全銀協の指針は補償額の考え方については言及しておらず、上限設定について、みずほ銀は「過去の被害額を考慮すると、5千万円なら十分カバーできる」(e-ビジネス営業部)として、額を決めたという。

 大手行の中では、りそなホールディングス(HD)が、専用ウイルス対策ソフトや使い捨てパスワードの導入などを条件に、企業に対し平成17年から最大5千万円の被害補償を行っており、これも参考にしたとみられる。

 だが、補償額について、三井住友銀行は「具体的な補償の内容は、セキュリティー対策の状況など被害の事情も異なることが想定されるため、個別に検討する」とコメント。三菱東京UFJ銀行も「個別案件ごとに総合的に検討する」としており、上限額の設定には否定的だ。みずほ銀も、上限5千万円の原則を打ち出す一方で、個別の被害状況に応じて5千万円の上限を超える補償をする可能性に含みを残しており、業界内の補償額の考え方は定まっていない。

 地方銀行では、千葉銀行が今春、顧客企業に最大1千万円を補償する方針を決めていたが、「全銀協の指針を受けて1千万円が妥当か検討したい」(広報担当)と、補償額を再考する構えだ。

 補償の実施では足並みをそろえた銀行業界だが、肝心の補償額には違いが生じる公算が大きく、企業にとっては改めて取引条件の確認が必要となりそうだ。

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