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国内トップの損保ジャパン日本興亜が発足 「サービス産業」で生き残り

ニュースカテゴリ:企業の金融

国内トップの損保ジャパン日本興亜が発足 「サービス産業」で生き残り

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損保ジャパン日本興亜の沿革  損害保険大手の損保ジャパンと日本興亜損害保険が1日合併し、新会社「損害保険ジャパン日本興亜」が発足した。単体の損保会社としては東京海上日動火災保険を抜き国内トップとなり、経営合理化を進めて収益力を高める狙い。海外事業などで先行する東京海上ホールディングス(HD)やMS&ADインシュアランスグループホールディングスを猛追する構えだが、首脳陣が目標に掲げる「サービス産業への進化」の成否が国内市場で生き残りの鍵を握る。

 第1弾は運転診断

 「120年余りの歴史ある2社が統合し、新たな歴史を踏み出す。核となる保険事業の枠を超え、さまざまな先進サービスを生み出していきたい」

 1日開いた式典で挨拶に立った二宮(ふたみや)雅也社長はこう述べ、新体制への期待をにじませた。

 持ち株会社の名称も同日、NKSJホールディングスから損保ジャパン日本興亜ホールディングスに変更した。

 人口減少期を迎えた国内の損保市場は縮小が避けられず、中核事業である自動車保険も、若者の“クルマ離れ”などを背景に、かつての右肩上がりの成長は望むべくもない。

 そうした中で損保ジャパン日本興亜が将来の経営の方向性に位置づけるのが、「保険を軸としながらも周辺サービスを組み合わせた産業」(桜田謙悟・損保ジャパン日本興亜HD社長)への自己変革だ。

 グループ会社が持つヘルスケア事業を保険と組み合わせて販売するといった構想を視野に入れるが、式典の席で公表した法人向け運転診断サービスは、新会社が「サービス産業」として打ち出す第1弾となった。

 運送業者など自動車を多数保有する契約先の走行記録から得られる「ビッグデータ」を解析し、安全運転や事故防止につなげる。契約先には高機能ドライブレコーダーを配布。今年度内に全国で事業展開する。

 地区本部に権限移す

 ただ、桜田HD社長が「道半ば」と語るように、新事業が収益に貢献するまでには時間を要するのは確かだ。収益力の面では、旧NKSJ・HDの14年3月期連結決算の最終利益は441億円。東京海上HD(1841億円)やMS&AD(934億円)から大きく水をあけられている。

 東京海上の原動力は海外事業で、買収した欧米子会社を中心に海外で稼いだ利益が前期比約77%増加。MS&ADはアジア新興市場で先行する。損保ジャパン日本興亜は昨年、英国の名門キャノピアスを傘下に収めたが、海外事業の出遅れは否めない。

 二宮社長は1日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、合併を選んだ理由について「統合の利点を最大限に出すため」と述べ、営業目標の決定や人員配置などの権限を本社から全国16の地区本部に移す方針を明らかにした。「顧客から最高の評価を得るには、客に近いところでニーズを探り、的確なサービスを提供する」必要があると判断した。

 ほかの3メガ損保グループでは、MS&ADが傘下に損保2社を併存させ、商品分野を切り分けて1社に寄せ集める「機能別再編」に着手。4年後に利益を倍増させる計画だ。東京海上はそれぞれ得意分野を持つ傘下の損保2社を併存させ、当面は現行体制を続ける方針。

 大手3損保は、持ち株会社のもとで“3社3様”のグループ運営を進めており、今後、統合効果をどこまで発揮できるかが数年後の収益力の差となって現れそうだ。(塩原永久)

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