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「広報駆け込み寺」女性管理職座談会 しなやか広報で社会とコミュニケーション
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参加した京王プラザホテルの斎藤潤子さん(右端)、広報駆け込み寺の三隅説夫さん(右から3人目)、OKIの堀口明子さん(同4人目)、丹青社の山岡礼さん(左端) 安倍晋三政権は経済再生に向けた成長戦略の中で、女性が輝く日本をつくるため、待機児童の解消などとともに、女性役員・管理職の増加を企業に求めている。こうした動きに呼応するかのように、広報活動を支援するNPO法人(特定非営利活動法人)「広報駆け込み寺」の会員の中にも広報責任者に女性を登用するところが増えている。そこで7人の女性管理職に質問し、女性ならではの広報活動やダイバーシティ(多様性)における女性活用などについて紙面上で座談会を開いた。
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--会社における広報の位置づけはどうですか
後藤 広報・IR(投資家向け広報)活動は大変重視しており、すべてのステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションの窓口との位置づけです。よい情報も悪い情報もすべて誠実に、真実を正しく伝えることを心掛けています。広報の善しあしはボディーブローのように効いてくるからです。
斎藤 危機管理はもちろんですが、営業部門の支援部隊としても期待されていると思っています。ホテルはイメージが重要な業種ですので、マスコミ対応のみならずイメージアップのためのPR企画の立案や顧客とのコミュニケーション制作など幅広い形での広報活動が求められています。
山岡 経営と密接に、情報の共有や方針を確認しながら広報活動に取り組んでいます。社長自らも積極的にメディアに対応し情報発信する姿勢でいます。
杉山 「ジェトロのサービスを知っていればこんなに苦労しなかったのに」との声が聞こえてきます。こうした声を一つでもなくすべくジェトロの活動やサービスをより分かりやすく、そして世間のニーズも認識してメディアに紹介することが役目です。社会との窓口として各部と世間をつなぐ役割を担っています。
--経営トップなど会社への要望はありますか
久我 それぞれが自分は「会社の顔」であり“トップ広報マン”であるということを今以上に認識してもらえるとよい。
堀口 広報とは自ら率先して行うものだという自覚を多くの役員にもってほしい。
長野 すべての情報、それが噂やデマでも迅速に知らせてほしいし、広報課の意見を尊重してほしい。
斎藤 取材は広報に任されており、部長以上がインタビューに応える機会があまり作れておらず、今後の課題です。
山岡 東証1部上場企業でありながらBtoB(企業間取引)の企業なので当社のことを知っていただけていないのが実情です。業界の垣根を越えて社会に発信していくために経営トップも現場も広報マインドを高めていきたい。
--女性ならではの「しなやか広報」を実践していますか
久我 「心配り、配慮、傾聴」など気持ちに寄り添った対応を心掛けることで、発信する側も受けとる側も有益な情報のやり取りができるようにしていきたい。
後藤 社内の女性にもよく言いますが、女性だからといって「しなやか」だけではないと。「しなやかに、したたかに、たくましく」が大切だと思っています。
杉山 広報は組織内にネットワークをもち、世間の感心事項にも敏感でなければいけません。それが社会と組織の間の窓口という広報の本質的使命です。このためコミュニケーション能力と関心のアンテナを高く持つこと。フットワークも必要。「しなやか広報」のしなやかとは、それを体現する言葉です。
山岡 企画広報課6人中4人が女性で、子育て中の社員も4人います。そこで仕事の質を高め、各自の得意分野を生かしながらチームとしての成果を出そうと皆で心掛けています。
堀口 現場をさらに味方につけて広報活動の充実に努めたい。部下の育成では「やってみせ、させてみて、ほめてあげる」というスタイルで取り組んでいます。
斎藤 自分にとっても楽しく、会社の利益にもつながり、そして社会的意義もあると実感して働きたいし、部下にもそのように感じてほしい。
長野 どんな立場の人にもさりげなく影響を及ぼすことができるようになることが目標です。その結果、自分の部署、組織、社会全体がよりよくなっていくことが夢。そのために常に「明るく、前向きに」を心掛けています。
--ダイバーシティの重要性が叫ばれています。安倍政権の女性活用については
久我 概論賛成、各論で早急に整備する部分があると思います。ただ目標数字に向けて取り組むことは大切ですが、その前に自社の将来像を考えた場合、男性の意識、女性の意識を一緒に変えていく必要があります。
山岡 女性活躍のためには働きやすさと同時に働きがいも向上する環境づくりが大切。仕事を通じ人材が成長し、新しいことに挑戦できる環境づくりこそが女性活躍の後押しとなり、企業活動の活力を生みだしてくれるのではないでしょうか。
後藤 「なでしこ銘柄」(女性活躍の推進に優れた上場企業)に選ばれ、最近では女性活用に関する取材も当たり前になりました。今後は追われる立場なのでこれまで以上に推進力を高めていきます。トップからも「やりすぎるぐらいがいい」と言われています。
杉山 女性の役員や管理職への登用は既に行っており、駐在員も20年以上前から出しています。女性が社会や会社とかかわることにより社会や会社側と化学反応が起き、さまざまな可能性を広げることになります。アベノミクスの女性活用は社会に変化をもたらし、新しいビジネスを生む第一歩だと思います。
--広報駆け込み寺に、女性だけの業界横断組織「はな寺の会」が誕生しました
久我 何事もいちいち男性、女性と区別して話すこともないのですが、日本の働く現場でのシステムは男性中心。そんな中で、女性の本音トークができる場面も必要であり、はな寺の会は異業種間での前向きトークができる場として大事にしたい。
後藤 同じ立場ならではの悩みを共有しつつ、そこを単なる愚痴の言い合いにせず、前向きにコラボレーションや新たな価値を生み出す場にできればと思っています。
堀口 マネジメントの悩みについて率直な意見交換ができるような会に発展できればと思います。
長野 異業種ながら広報という共通の職種から話ができることや、女性同士という安心感がうれしいです。産学連携の企画などをどんどん企画し発信していければと思っています。
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【参加者】
▽永谷園執行役員広報部長 久我光枝さん
▽カルビー執行役員コーポレートコミュニケーション本部長 後藤綾子さん
▽OKI広報部長 堀口明子さん
▽京王プラザホテル企画広報支配人 斎藤潤子さん
▽丹青社経営企画統括部経営企画室企画広報課課長 山岡礼さん
▽日本貿易振興機構(ジェトロ)広報課長 杉山玲子さん
▽立教学院企画部広報課課長 長野香さん
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◆NPO法人広報駆け込み寺・三隅説夫代表コメント
広報駆け込み寺は、スタートして今年で10年目です。会員の中には現在、10人を超える女性管理職が活躍しています。広報は「誠実、スピード、直言」の姿勢と行動が必要だと思いますが、きめ細かい感性や心配りなどができる女性に広報の仕事はむいていると思っています。交流会には若い女性広報担当者も数多く参加しており、これからの成長が楽しみです。