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クラレ、設備投資2000億円 自動車やスマホ向け事業加速、生産設備も増強
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中期経営計画を発表するクラレの伊藤正明常務執行役員=24日、東京都千代田区 化学大手クラレは24日、2015~17年度の中期経営計画を発表した。3年間で計2000億円分の設備投資のうち、1200億円を新増設に充て生産能力を拡充。17年度の売上高は14年度(見通し)に比べ約26%増の6500億円、営業利益は約66%増の900億円を目指す。
自動車のフロントガラス向け中間膜材などで世界トップシェアの主力の合成樹脂関連は、米デュポンからの事業買収による原料の内製化などで営業利益率を4ポイント引き上げ23%にする。タイヤ向けの合成ゴムなども海外での販売を強化する。また、新規事業として電子回路基板材料に使われる高機能フィルムのスマートフォンなどへの展開を加速。リチウムイオン電池向けの負極材も電気自動車向けに生産設備の増強を見込む。
1月に社長に就任する伊藤正明常務執行役員は同日の記者会見で、「世界に存在感を示す高収益な化学企業を実現する」と述べた。
一方、クラレは同日、デュポンの事業買収に伴う資産取得額が確定し、のれん代の償却費が13億円から43億円に膨らんだことなどから14年度の業績予想を下方修正すると発表した。決算期変更に伴う変則決算の14年4~12月期予想は、営業利益が前回予想を30億円下回る410億円、最終利益は50億円下回る210億円とした。
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▼2017年度に売上高6500億円、 営業利益900億円、最終利益 570億円を目指す
▼3年間で計2000億円分の設備 投資を決定し、うち1200億円 は生産能力増強に充てる
▼米デュポンから買収したビニ ールアセテート(合成樹脂) 関連事業と相乗効果を発揮
▼1株当たり年間配当金を14年 度予定の27円から「36円以上」 に引き上げる