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【未年に翔ける】JR東海社長・柘植康英さん(61)

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【未年に翔ける】JR東海社長・柘植康英さん(61)

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 ■リニア工事開始 経営体力強化へ地固め

 --社長に就任した昨年1年間を振り返って

 「有意義な1年で、当社、あるいはわが国にとって歴史的な節目の年だった。東海道新幹線が10月1日に開業50周年を迎え、国内外から技術面、運営面の素晴らしさを再認識してもらった。リニア中央新幹線も10月に着工が認可され、12月には12年後の開業へ向けて着工した。収益面、安全面とも順調な1年だった」

 --2015年の抱負は

 「リニアの工事がスタートするのに加え、経営体力の強化に向けた地固めの年になる。収益面では自動車、電機といった大企業の高収益は続き、円安も続くとみられ、ビジネス客が業績の下支えになる。観光客も関西方面への活発な動きは続くだろう。一方で3月の北陸新幹線開業は逆風だ。北陸方面からの周遊を促し、京都、奈良への誘客に力を入れたい。また、今年はJR福知山線脱線事故から10年、阪神・淡路大震災から20年、日航機墜落事故からそれぞれ30年になる。慢心に陥ることなく、安全確保に努める。自然災害も頻発しており、事前予測も含めて機敏に対応したい」

 --リニアの建設スケジュールは

 「各地で準備が進み、建設段階に入る。今進めているのは住民向け説明会。年度末に向けてこれを進め、回数は計200回を超える。その後は名古屋駅などを皮切りにいよいよ本格工事がスタートする。ただ、基本姿勢は工事の安全、環境保全、地域との連携にあることは変わらない」

 --大阪への延伸を求める声が根強い

 「東京-大阪は日本の大動脈だけに早期に開業した方が良いのはもっともだが、民間会社として経営を維持していく必要がある。当社としては収益力をさらに高め、コストもさらに下げて経営体力をつけた上で、開業の前倒しができれば良いと思う。幸い、今期の長期債務残高の縮減額は約2000億円まで上積みできた」

 --米国での高速鉄道輸出プロジェクトは

 「まずはワシントン-ボルティモア間の65キロをリニアで結ぶ計画だ。まだ大きく動き出す段階になく、各州などへのPR活動を地道に続けている。もう1つは新幹線でテキサス州のダラス-ヒューストン間の400キロを1時間半~2時間で結ぶ計画だ。民間資本で進めることを前提に検討を進めている」

                   ◇

【プロフィル】柘植康英

 つげ・こうえい 東大経卒。1977年日本国有鉄道(現JR)入社、2002年JR東海取締役・人事部長、06年常務・秘書部長、08年副社長、14年4月から現職。岐阜県出身。

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