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【大塚家具】苦り切る金融庁 「親子ケンカは企業価値損なう」 社外取締役導入も混乱を助長
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上場企業の企業統治の原則「コーポレートガバナンス・コード」を決めた金融庁だが、なんとも悩ましいのが老舗家具大手の大塚家具の“お家騒動”だ。コードでは上場企業に対し、複数の社外取締役を導入するよう求めているが、この原則を採用している大塚家具で創業家父娘の対立が表面化し、企業統治どころの騒ぎではないためだ。
コードでは社外取締役の役割について、「会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与する責務」と規定。東証1部と2部上場の企業に対し、2人以上の社外取締役を選任するよう求めている。
大塚家具にはすでに、一橋大大学院教授の阿久津聡氏(平成22年3月就任)と弁護士の長沢美智子氏(25年3月就任)の2人の社外取締役がいる。同社は東証ジャスダック市場に上場しているため、今回の原則では複数の社外取締役を選らぶ必要はないが、自主的に実施済み。その点では“模範生”のはずだった。
だが現実は、親族や株主を巻き込んだ委任状争奪戦(プロシキファイト)に発展し、経営は大混乱。金融庁幹部は「親子ケンカのような経営陣の対立は企業価値を損なうリスクが高い。上場企業であれば社外取締役には経営陣の仲裁役を務めてほしかった」と眉をひそめる。
一方、企業統治に詳しい市場関係者は別の見方だ。「オーナー企業で争いが起これば、社外取締役は部外者扱いされて何も言えない。日本の社外取締役の多くは、経営陣に頭が上がらない“番犬”だ」。
上場企業は今年6月の株主総会を期限に社外取締役の確保を急ぐが、東証1部企業だけで2千人程度の新たな人材が必要とされる。野村証券の西山賢吾シニアストラテジストは「必要があれば社長に直に辞任を要求できるくらい有能な人材を社外取締役に採用できるかが、今後上場企業の評価を左右する」と話す。
政府の成長戦略に欠かせない目玉政策として導入が決まった、社外取締役の導入。企業にとっては、手探りの新ルール導入となりそうだ。(小川真由美)