シャープ、頼みのアップル液晶離れ? スマホ向け急失速…中国シフト裏目
更新経営再建中のシャープの液晶パネル事業が青息吐息だ。売上高の3分の1を占める屋台骨だが、業績回復を支えていた中国メーカーのスマートフォン向けが急失速。浮き沈みの激しい米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けに再び依存せざるを得なくなっている。その頼みの綱もシェアが低下傾向にあるうえ、ディスプレーを液晶から有機ELに切り替えるとの観測まで浮上した。社外分社化して外部からの出資も検討するなか、業界には「高く売れる時はとうに過ぎたかも」との声も上がっている。(織田淳嗣)
依存
「ここ数年、シャープは“アップル依存”からの脱却を目指していた」
シャープ関係者はこう語る。
平成25年3月期、当時販売されていた「iPhone5」の不振に伴い、アップル専用だった亀山第1工場(三重県亀山市)の稼働率が一時期ゼロに陥ったからだ。巨額の損失処理を迫られ経営危機の原因にもなった。
アップルは長年、稼ぎ頭である一方で、アイフォーンの売れ行き次第で業績を揺り動かす不整脈でもあるのだ。
