【酒豪女子が行く】(3)ブーム終焉で「暗黒の時代」 詐欺相手から逆説教… どん底から這い上がったビール会社社長
更新案の定、創業から半年後には地ビールブームは終焉する。「夏を過ぎると潮が引くように売上げも落ちて、『相当大変なところに足を踏み込んでしまった』」と鈴木社長は焦燥感に駆られた。その後の数年間は目も当てられない状況が続き、不安な日々を過ごしたという。
不運は重なるもので、取り込み詐欺の被害にも遭うはめに。「大きな注文が入ったんです。嬉しくて売ったんですよ。でもお金が入ってこない」。電話で支払いを請求しても埒が明かず、業を煮やした鈴木社長がいざ相手先に赴くと、そこには…「かたぎではない」空気が漂っていた。「企業舎弟の事務所でしたね。『払ってもらわないと困る』と言うと、逆に説教されました。『お前みたいなユルい商売したら潰すぞ』って」。今でこそ笑い話にしているが、当時は「夜寝るときは『もう目が覚めなければいいのに』と思っていた」というほど、精神的に追い詰められていた。「創業してから6年間は暗黒の時代。ドツボにはまりましたね」と振り返る鈴木社長の表情にも、どこか苦労の色がにじむ。
仕込み場の暑さはまるで「地獄釜」!?
さて、いよいよ始動したコラボビール造りに話をいったん移そう。快晴のビール日和に恵まれたゴールデンウィークの三重県伊勢市。早朝の新幹線に飛び乗って東京から駆け付けた「酒豪女子」こと筆者は、午前10時半に伊勢角屋麦酒のブルワリーに到着した。出口善一ヘッドブルワー(49歳)と金澤春香ブルワー(28歳)は、筆者の到着を「まだか」と待ちわびていた様子。それもそのはず、伊勢角屋麦酒では早朝6時から第1回、10時前後から第2回の仕込みを行っており、その日はすでに 最初の仕込みが終わっていたのだ。ブルワリーに着くなり、「はよ2回目始めるで!」と出口ブルワーが一言。大慌てで身なりを整えたら、一息つく間もなく仕込みのスタートだ!







