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CO2の削減目標維持して原発ゼロには矛盾 日本のエネルギー政策はどうあるべきか

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CO2の削減目標維持して原発ゼロには矛盾 日本のエネルギー政策はどうあるべきか

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 --政府は再生可能エネルギー22~24%、原子力20~22%などとする30年度のエネルギーミックスを決めています。どう評価していますか

<< 下に続く >>

 「国民のほとんどは原発をあきらめているのが現状だと思います。今、多少は動いていますが、増設・リプレースはできないというのが多くの人たちの印象でしょう。エネルギーミックスとして国際的にコミットしている30年度の原子力比率20~22%とは矛盾しています。このミックスの背後にあるパリ協定で日本が提示した30年のCO2(二酸化炭素)など温室効果ガス削減目標の26%を否定する人はほとんどいません。しかし、ミックスと温室効果ガス削減の目標達成には原発の増設・リプレースが必要不可欠であり、今は原発22%をあきらめるか、増設・リプレースをすると決めるのかの瀬戸際にあります。再エネ固定価格買い取り制度(FIT)の賦課金負担が大きくなったことや、中長期的に化石燃料調達がむずかしくなることを合わせて考え、説明していけば、少なくとも既存原発より安全性が高くなる増設・リプレースへの理解を得られる可能性はあると思います」

 --全面自由化、発送電分離を柱に進行している電力のシステム改革についての評価は、どうですか

 「自由化で競争意識が高まったことで既存電力事業者の業務改善が進んだという点では意味がありましたが、今の自由化はシステムリスクを高める方向にあり、危険な不確実性の闇に入り込みつつあるように思います。すなわち、最終的な供給者責任があいまいなため、ちょっと大きな問題が発生したときに、電力供給の安定性を担保するのがむずかしい状況にあります。それを補うために、新しい市場をどんどんつくるという、つぎはぎ的なことをやらざるを得なくなっています。問題の根源は、震災までのエネルギー政策の責任、すなわち福島第1原発事故の責任を国が取らないで、供給安定性より電力会社に対する懲罰性を重視するシステム設計にしてしまったところにあると思います。また、原発活用の目標が一向に進展しないのは、自由化市場では原発の増設・リプレースの投資負担が大きすぎるためです。例えば、英国のように中長期的に原発の経済性を国が保証する『原発版FIT』のような支援制度を設ける必要があると考えています」

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