CO2の削減目標維持して原発ゼロには矛盾 日本のエネルギー政策はどうあるべきか
更新--それでは、日本のエネルギー政策はどうあるべきとお考えですか
「2050年で考えると、皆が口を閉ざしている原発のある、なしによって、まったく世界が変わります。これまで私が申し上げてきた原発がある世界で絵を描くとすれば、1次エネルギー消費で4割程度と大きな比率を占める石油の消費量をいかに少なくして社会を動かすシステムをつくり上げるかが、日本の第1の課題です。これは単に自動車がエンジン車からEVに転換することを意味するわけではなく、産業構造の変化とそれに伴う雇用問題と、トラックに多くを依存する物流をどうするのかという問題です。その次が電力で、30年26%とか、50年80%の温室効果ガス削減目標を維持しながら原発を止めるというのは、経済的にも安全保障的にも大きな矛盾をはらんだ政策になってしまいます」(聞き手 神卓己)
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◆日米原子力協定(1988年7月発効)
・内容
核燃料の調達や再処理、原子力技術の導入などに関する日米間の取り決め
・骨子
非核保有国の中で唯一、日本にプルトニウムを抽出する核燃料再処理事業を認めた。濃縮ウランを提供する米国が日本を規制できる
・有効期限
発効から30年間で2018年7月17日まで。期限の6カ月前から文書で通告することによって終了させることができるが、事前通告がなければ自動延長
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このシリーズは第4木曜日に掲載します
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【プロフィル】大場紀章
おおば・のりあき 1979年愛知県生まれ。2008年京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学後、技術系シンクタンクのテクノバ入社。化石燃料供給、エネルギー安全保障、無機物性化学など、エネルギー問題の研究者として活躍。一般社団法人日本データサイエンス研究所主席研究員。新世代シンクタンクGEF代表。
