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シェアハウス問題、「人手不足」破綻… 2018年の経営問題ニュースを振り返る(前編)

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 金融庁は金融機関に「日本型金融」からの脱却を求め、「事業性評価」に基づく貸出を促している。だが、リスクとリターンが見合わないミドルリスク企業向け貸出が増えている。

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 また、2018年4月、実効性のある保証制度にすることを目的に新たな信用保証制度がスタートした。現在は低金利下で保証料に割高感があり、同制度の改定の影響は見受けられない。今後はリスクを回避したい金融機関の貸出姿勢が厳しくなることも予想される。

◆建設市況は2018年でピークアウト?

 2018年の建設業界は好調な1年だった。国土交通省によると、建設投資のピークは1992年度の84兆円だったが、2011年度は42兆円に半減した。その後、東日本大震災の復興需要や首都圏の大型再開発、東京五輪・パラリンピック向けのインフラ整備などで、2018年度(見通し)は56兆6700億円に盛り返した。

 上場ゼネコン58社の2018年3月期の売上高は12兆896億円、当期利益7468億円で、2008年のリーマン・ショック以降の10年間で過去最高となった。未上場建設業者13万8645社も、2017年度(2017年4月~2018年3月決算)の売上高は62兆5909億円(前期比2.2%増)、当期利益は1兆9588億円(同12.7%増)と、10年間で最高を記録した。

 2018年4月以降も繰越工事や安定した受注確保で、建設業界は好業績を維持している。国土強靭化計画に沿った復興や災害対策などの公共工事、オリンピック特需、インバウンド効果などが期待材料になっている。

 ところが、2019年度の建設投資の見通しは55兆1500億円(前期比2.7%減)と、厳しさが見込まれる。建設技能者の高齢化や若年労働者の減少など人手不足も深刻化し、労務費の上昇や資材価格の高騰なども採算確保の課題になっている。五輪特需は開催前にピークアウトする見方もあり、建設業界にとって2019年は注目の1年になる。

▼※30日に掲載予定の「後編」に続く。

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