クルマ三昧

ホンダF1の13年ぶりVは技術力の証明 名門と決別しレッドブルで快挙

木下隆之
木下隆之

 フェラーリを抜き去り優勝

 実際にはレースでは、予選3番手からスタートしたM・フェルスタッペンがライバルを駆逐、途中で何度か後退する場面もあったが、最終的にはポールポジションからスタートしたフェラーリを抜き去り、13年ぶりの勝利を奪い取ったのだ。

 トップからスタートしたことで常にフレッシュエアを得ながら有利に戦うフェラーリを、背後から抜き去ったことが、ホンダF1エンジンが過酷な環境でも性能低下がなかったことを証明しているように思えた。

 最近の本田技研工業へ入社する新卒社員の多くは、ホンダF1の活躍には興味がないという。かつての栄光を知らない層も少なくない。ホンダブランドも迷走している。進路が見えないホンダにとって、今回のF1GP13年ぶりの優勝が、何かの起爆剤になるかも知れない。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】こちらからどうぞ。

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