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南海トラフ地震の予知は困難 中央防災会議最終報告

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南海トラフ地震の予知は困難 中央防災会議最終報告

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 東海沖から九州東部沖に延びる南海トラフ(浅い海溝)で想定されたマグニチュード(M)9・1の最大級の巨大地震について中央防災会議の作業部会は28日、地震を確実に予測することは困難とする調査部会の見解を盛り込んだ防災対策の最終報告を公表した。東海地震や巨大地震の直前予知に否定的な見方を示したもので、予知体制の見直しに向けた議論が本格化するとみられる。

 南海トラフはM8級の東海・東南海・南海地震の震源域が東西に並んでおり、これらが連動して巨大地震が起きる恐れがある。気象庁は東海地震の直前予知を目指して地殻変動を監視しているが、前兆現象が検出された場合、東海を上回る巨大地震の発生の有無を予測できるかが防災上の焦点になっている。

 作業部会の下部組織である調査部会は科学的な知見を基に検討した結果、前兆現象を捉えて地震の発生時期や規模を高い確度で予測することは困難との見解をまとめた。

 気象庁は昭和19年の東南海地震の直前に観測された地殻変動を前兆現象と解釈し、東海地震予知の可能性の根拠としてきたが、調査部会は「疑わしい」と指摘。東海地震や連動型の巨大地震について「確度の高い予測は難しい」と結論付けた。

 これを受け作業部会は最終報告で「新たな防災体制のあり方を議論すべきだ」として、予知体制の再検討を求めた。

 最終報告は巨大地震の被害について、震度6弱以上または浸水深30センチ以上の面積が10ヘクタール以上の自治体は30都府県の734市区町村に達し、面積で全国の32%、人口で53%の超広域に及ぶと推計。「国難ともいえる巨大災害」と強調した。

 その上で避難を主体とする津波対策や耐震化の徹底を求め、新たな法的枠組みや達成時期を明記した防災戦略が必要だとした。これに基づき国は今年度中に対策大綱を策定する。

 復興が遅れると「国としての存立に関わる」として事前の防災対策を重視。被災地では行政の支援が行き届かないため、家庭で1週間分以上の食料などを備蓄するよう求めた。

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