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温室ガス削減新目標「3・8%減」 鳩山氏示した「25%減」抜本見直し
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政府は15日午前、地球温暖化対策推進本部(本部長・安倍晋三首相)を開き、2020年までの温室効果ガスの排出量を05年比で3・8%削減するとの新たな目標を了承した。現在、ポーランドで開催中の気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)で、石原伸晃環境相が表明する。
新目標は、原発の稼働をゼロと仮定して策定した。20年の温室効果ガス排出量は約13億トンになり、従来の基準年である90年と比べると3・1%増になる。
安倍首相は今年1月、09年9月に民主党の鳩山由紀夫首相(当時)が示した「2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減する」とした目標の抜本的見直しを指示。従来目標は、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の増設が前提だった。
安倍首相は「エネルギーミックスが検討中であることから、あくまで現時点での目標」と述べ、新目標が暫定的なものとの考えを示した。
同本部では、温室効果ガスの削減を国内外で進める「攻めの地球温暖化外交戦略」も決定。環境関連の技術開発の推進に向け、今後5年間で官民合わせて1100億ドル(約11兆円)の国内投資を行うことが柱で、新目標と合わせてCOP19で表明する。
同戦略では、途上国の温暖化対策支援として、13~15年の3年間で官民合わせて計160億ドル(約1兆6千億円)の拠出を盛り込んだ。途上国に環境技術を提供する見返りにCO2の排出削減分を日本側に算入する「2国間クレジット制度」で、制度参加国を現在の8カ国から3年で倍増させることも目指す。